2007年9月1日土曜日

魚が食べたい。


広告に限らず世の中に存在するメッセージの中には、
「誰から誰に」発信されたのか良くわからないものが存在する。

この画像は、とある居酒屋の入り口にかかげられたものだが、
この「魚が食べたい」というメッセージも主体と客体があいまいである。

日本語的に普通に考えると、この店の店員もしくは店長が
「魚が食べたい」と言っていると捉えられるが、当然そんなわけはない。
万が一そうだったとしたら「いちいち言うな」である。

一方、通行人である私たちの気持ちを代弁したうえでの
「魚が食べたい」だとしたら「余計なお世話」である。
「勝手に人の願望を決めつけるな」である。

「魚が食べたい」と表記することで、魚を食べることの
ある種の「ダイナミズム」が表現できてはいると思う。
魚を喰らう感じやシズル感(おいしそうな感じ)も表現できている。
しかしながら同時に若干のムカつく感じもそこはかとなく漂ってもいる。
日本語は難しい(安易な終わり方)。

2007年8月31日金曜日

極うすテレビ。


本日は「極うすテレビ」のグラフィック広告事例。
テレビを真横に配置することで、ホームシアターセットの
スピーカーよりも細い、ということを表現している。

ホームシアターセットの主役は当然テレビそのものであり
スピーカーはサブの脇役にすぎないが、
主役なのに目立ってないという若干パラドキシカルな感じが
この広告をユーモラスにしている。

当然、広告としての肝心な訴求点である「かなり薄型のテレビ」
という点は、しっかりと表現できている。

2007年8月30日木曜日

いじめ体験型Web広告。

本日はWeb変則バナー広告の事例。
まずは、お手数ですが以下のアドレスをクリックして
このバナー広告を体験したうえで戻ってきて頂けますか。
ちなみに行った先でマウスポインタをこのバナーの上に
合わせてバナー内でいろいろと移動させてみてください。
↓Click Here!

このWeb広告の訴求点は単純で
“いじめられている人の身になってみると
いじめの問題をもう一歩深く考えるようになる”である。

とかくCMなどこれまでの4マス広告では
「いじめをやめよう」みたいな一方的で願望型の
メッセージを突きつけるやり方が主流であったが、
前園に「いじめ、かっこ悪い」とか言われた所で
いじめをやめるほど人間の心理は甘くはない。

いじめに限らず人間は他人の立場になるのが苦手なので、
「相手の立場に実際になってもらう」というのが、
どんなメッセージを突きつけるよりも効果的だったりする。

このWeb広告は例え擬似的であれ、いじめられた状態を
双方向性を駆使しながら私たちに意識させる。

この広告はカンヌなどを受賞していなかったが、
Web広告の一つの方向性および可能性を
示唆しているように感じる。

2007年8月29日水曜日

邪悪なキャラクター。

本日は広告キャラクター事例。
下の写真は渋谷ハチ公の近くにある写真撮影スタジオの
広告で使用しているキャラクターです。

このキャラはオレンジを削って作られているのですが、
かなり「邪悪な感じ」がします。

最近はキャラクターが世の中に溢れていて、
特に渋谷は「キャラだらけ」でインフレ状態です。
ただ単にかわいい感じのキャラは見飽きた感があるし、
他の広告との差別化の意味も含めて
毒づいたキャラを立てるのはわからなくもないです。
悪魔やバイキンのキャラなど本来かわいくないもので
うまくキャラを成立させた方がヘンに媚びてないので
ウケたりするのでしょう。

しかしこのキャラは毒づきすぎ。
歯並び、目つき、鼻に向かって黒ずむ感じ全てが腹立たしい。
さじ加減は大切である。

2007年8月28日火曜日

1995年カンヌ・グランプリCM。

本日は「Jeep Grand Cherokee」のTVCM事例。
数年前、私は過去15年分くらいのカンヌ受賞CMを
一気見したのですが、このジープのCMは
その中でも個人的に一番好きなCMです。


このCMは1995年のカンヌグランプリを受賞していますが、
私は大学生の頃、普通に日本のテレビでこのCMを見かけて
衝撃を受けました。たんたんと日常っぽく描きながら
最後の部分だけ、はちゃめちゃという展開に
すっかりやられました。
ぼーっと見てると「何かの見間違え」もしくは「白昼夢」の様に
見えるCMというのは強いと感じました。
ただし一番最後の新聞少年のカットだけは
現在の感覚からすると蛇足なような気もしました。

2007年8月27日月曜日

お祭りOOHメディア。

昨日、表参道を散歩していたら、
たまたまスーパーよさこい2007に遭遇しました。
その中で、このお祭りを先導する「山車」的な車が
何台かあったのですが・・・


こんな所にも「楽天トラベル」の広告がありました。


楽天トラベルは新聞などのメディアで、時事性を踏まえた
ユニークなコピー展開をされていますが、この山車メディアの様に
広告混雑から抜け出すクラッターフリーでクレバーなメディア展開も
行っているようです。

ただ単に山車という変わったメディアに広告を出すというだけでなく
キャッチコピーでも、お祭りとうまくひっかけた内容を訴求することで
印象度を深めていました。

ちなみに他にも以下の様な山車メディアがあったのですが・・・


「AIGスター生命」と「よさこい祭り」って、世界中に存在する
あらゆる単語の中から最も関連性のうすい単語を
2つランダム選んだってくらい関係ない感じの組み合わせですが、
逆にアヴァンギャルドで面白い感じがしました。

2007年8月26日日曜日

ぼく、ドラえもんでした。


以前、本屋で見つけて衝撃を受けた「本のタイトル」事例です。
作者が目に入る前にタイトルだけが目に飛び込んで
衝撃を受けました。
「ぼく、ドラえもんです」というあまりにもなじみ過ぎたフレーズが
過去形になって破壊されていたことに激しい衝撃を感じました。

このタイトルを見て様々な感情がよぎったのですが、
過去にドラえもんだったのなら「じゃあ今は何なんだ?」と感じました。

結局「大山のぶ代」さんが著者なので、納得なわけであるが、
この本のタイトルの様に、それまで当たり前の様に思っていた
フレーズであればあるほど崩された時に大きなインパクトが生まれる
という好例でもある。

ちなみに違う書籍で「かみさんはドラえもん」という
大山のぶ代さんのご主人が書かれた本があり、
こちらも本屋で異彩を放っていた。おそるべし大山夫妻。

2007年8月25日土曜日

新しい広告会社「R/GA」。

今回は「ナイキつながり」ということで現在アメリカでCP+Bと並び
「Cutting Edge(とんがってる)」な広告会社との呼び声も高い
「R/GA(アールジーエー)」のキャンペーン事例をご紹介します。

このキャンペーンはNYのタイムズスクエアに屋外看板を設置して
通行人が携帯電話を使って看板上のスニーカーを
自分の好きなようにデザインして注文できるというもの。
ちなみにこのキャンペーンは昨年のカンヌも受賞している。
↓パソコン版の画面。やってみるとわかりますが結構楽しい。
このキャンペーンを仕掛けた「R/GA」という広告会社9年に
一度全く業態を変えてしまう会社として知られていて
現在はインタラクティブ・フルサービス・エージェンシーという
創業時とまるで関係のないスタイルをとっている。
テクノロジーを中心にメディアニュートラルのあらゆる
サービスを提供する会社である。

そして、この会社の凄いところが、業態を変化させる度に
その時々で「一番とんがってる会社」と呼ばれていることである。

今年のカンヌを受賞したアップルiPodとナイキがコラボした
「Nike+キャンペーン」も同社の制作であるが、
同社はこれまでの広告会社と比べてブランディングよりも
「販売促進」に比重を置いている感じがする。
「広告は売らなきゃ意味ないでしょ」という主張の元に
勢力を広げていっているのだろう。
アメリカなんかでは特に効果がありそうややり口ではある。
実際にR/GAの社員はCP+Bの様なクリエイティブ型の
広告会社のことを揶揄する発言を頻繁にしているとのことである。

同社のもう一つの特長として、チーム構成員の「職能」が
斬新であることが挙げられる。
従来の広告代理店はクリエイティブディレクター、コピ-ライター、
アートディレクターといった編成でチームを組むが、R/GAは
インタラクティブデザイナー、インフォメーションアーキテクト、テックリード、
データテクノロジスト、エクスペリエンスデザイナー、それらを総括的に
カバーする「ユニバーサルプランナー」という、これまでに
存在しなかったスキルを持った集団でチームを編成している。

現在、目まぐるしく変化する広告市場において
「R/GA」は、今後も注目すべき広告会社である。

2007年8月24日金曜日

ナイキ代々木公園イベント。

本日は、昨日の事例と「代々木公園」つながりということで
「JUST DO IT. 東京 PARK 2007」の事例をご紹介します。

ナイキジャパンは「JUST DO IT. 東京」キャンペーンの
一環として8月16日から8月26日まで代々木公園で
スケートエリアとダンスエリアを期間限定で設け、
入場無料で提供している(当然見学も無料)。

通常の広告では広告表現上で「若者を応援します」みたいな
実体の無いメッセージを発信する企業は多いが、
このナイキの事例は実際に「遊ぶ場所を提供する」という
「現実の行為」を伴っているという点で素晴らしいと感じた。

2007年8月23日木曜日

効率の良いトラック広告。

本日は、それほど面白い事例ではないかもしれませんが
最近感心した日本の広告事例をご紹介します。

これは代々木公園の近くを散歩していた時に見つけた
広告デザイン入りトラックです。
商品は家庭用の「ルームランナー」です。
(その場で走り続けるトレーニング用具)
このトラックは特に走ったりするわけではなく、
ただ単にひたすら駐車されているだけでした。

ルームランナーの潜在ターゲットの中には、
「ランニングする習慣がある人」が含まれると思います。
そして代々木公園には、
そのランニングしている人が多いのですが、
公園周辺には屋外看板などの広告媒体はありません。

つまり、このトラック広告は媒体費をかけずに、
「駐車」という原始的な手法で、
ルームランナーを買う可能性が高い人々に
ピンポイントで訴求する「効率良いメディア展開」を
行っていたのです。
(渋谷で看板を2週間買うだけで数百万円かかります)

商品を買う可能性が無い1000人に広告を見せるよりも
よっぽど費用対効果が良いと思われます。

なんてことを一人で考えていたら、
この日以降、このトラックは見かけなくなったので、
「駐車してはいけない」と言われたか、
それとも「全国を行脚」しているのか、
もしくは「ただの偶然か」は、わかりません。

しかしトラック広告を絶妙な場所に駐車して訴求する
という手法はゲリラ系メディアのヒントになると感じました。