2008年3月6日木曜日

クレイジーな実証OOH。

本日は、私が去年(2007年)1年間で知った
あらゆるメディアの広告の中で最も優れていると
個人的に感じた事例です。カンヌも受賞していますし
大変有名な事例ですのでご存知の方も多いかと思いますが、
取り上げさせていただきます。
「3M」の「強化ガラス」のOOH事例。

小型の屋外看板のガラス面に「3M社」の「強化ガラス」を使用。
看板の内部には見ての通り大量の札束を配置。
頑丈なガラスであるため、札束を取りたいと思っても取れない。
つまり「取れるものなら取ってみな」的な挑戦的なメッセージの
実証型のOOH事例なのです。

↓実際にこのガラスは蹴ったり殴ったりしてもビクともせず
 これらの模様はテレビのワイドショーなどでも放映され、
 かなりの「2次的」な「パブリシティー効果」があったとのこと。


とかくOOHなどの新媒体は「サーキュレーション議論」
(何人の人がその広告を見るか)において、
媒体選定から漏れやすいです。
面白いかも知れないけどTVや新聞の様に
大勢の人が見ることはできないので難しいよね的な感じになって
実現しないことが多いです。

しかし例え数値上では膨大な数の人間が見たとしても、
その「見られ方」が不透明な媒体は結構ある気がします。
しかしこのOOH事例は、
1次的に接触した人々にとっては(接触人数こそ限界がありますが)
永遠に忘れられない「印象的な」ものになると思いますし、
接触人数の問題に関しても、マスメディアのパブリシティや、
現在ではネットがかなり発達したことによりブログなどで
2次的に広まる可能性をひめています。

これまで「PR会社」が行っていた様な「情報伝播」のプロセスを
効果的に活用するバス・バイラル手法が有効になりつつあります。
トラッキング(効果測定)もWebをうまく活用すれば
ある程度までは数値化できると思いますので
これまで「PR業界」が抱えていた“効果が数字で証明しにくい”
という問題もかなり解消されつつあります。

このブログで何度も書いておりますが、
そうなってくると媒体量でひれ伏す型のアプローチでは無いため、
エージェンシーも「メディアマージン」で稼ぐ型ではなく
企画アイディアに対して対価を頂く「フィー制」の確立が
重要になると思います。

媒体量でひれふす型の戦略が悪いわけではなく、
両方のコミュニケーションが並存して
クライアントがTPOに応じて使い分けるようになると
もっとユニークで効果的な広告が増えると思います。

【3MOOHミニバージョン】
男性用トイレに額縁型強化ガラスOOHを設置。
中身にはお札が1枚入っている。
こちらも「1枚」ってところがイイ感じで
バカにしている感じがしてユニークであると感じました。

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