2008年4月11日金曜日

BBH⑤「LEGO」

BBH特集、最終日の本日はレゴブロックのCM事例。
個人的にこのCMはBBHが手がけた数々の広告群の中で
一番大好きです。

このCMも若干内容がわかりづらいので
先行して簡単にご説明いたします。

普通の生活をしている「とある少年」がレゴブロックで
すさまじい作品をつくりあげ、その作品が
世界中のあちこちで話題になっていくという内容です。



「想像力を伸ばす」という、
一歩間違えば普通になりかねない訴求点を
ここまで「大げさに展開させて」表現することで
心の底に届くような感動的なCMになっていると感じました。

箱の中身を最後まで見せずに、それこそ視聴者に
「想像させている」点が大きな効果を生んでいる
要因の一つだと思います。

私自身は、広告は「What to say(何を言うか)」が
広告戦略の中心に来るべきであると思っていますが、
とはいえこの様なCMを見ると
「How to say(どの様に伝えるか)」の
重要性やパワーを痛感せずにはいられませんでした。

このCMはタグラインも極限まで絞り込まれていて
素晴らしいと思います。

コピー「all ideas start with imagination」
(すべてのアイディアは想像力から)


コピー「just imagine」(想像しよう)

このCMで訴求している
「人間の思考からあらゆるものは生まれる」というメッセージは、
「レゴブロック」という「一商品の話」を超えて、
人間が生きていく上での「普遍的なメッセージ」を
訴求しているように感じます。

ソーシャルインサイトや人類そのもののインサイトとの
接点をもつことに成功した商品は、強力なブランドに
なっていくと思いますし、「広告」がブランドに対して
貢献できることの一つであると思います。

5日間BBHを特集しましたが、これまでこのブログで
取り上げてきた「DDB」「CP+B」「シャイアットデイ」
「ワイデン&ケネディ」そして「BBH」など
現在世界で先端を行っている広告会社はどこも表面的に見ると
クレイジーな広告をつくっているように見えますが、
その奥にある根底の戦略は人間の行動原理に根ざしている
という点で共通しているように感じます。

最後にヘガティも尊敬している
DDBの創始者「バーンバック氏」の語録から。
クリエイティブを支える哲学の真髄は
人間性に対する鋭いインサイト(洞察力)、
すなわちどんな衝動が人間を駆り立てるのか、
どんな本能が人間を支配するのかを知り、
たとえ相手がカモフラージュしようとしても、
それらを見抜く力ほど強力なものは他ありません。

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