本日から5日かけて「メディアニュートラル」という
テーマで事例を取り上げていきたいと思っております。
初日は、日本における「メディアニュートラル」な
広告キャンペーンのパイオニア的な事例である
検索エンジンの「goo」の事例です。
ご存知の方も多いかと思いますがこのgooのキャンペーンは、
ユーザーから投稿されたあらゆるジャンルの質問に対して
他のユーザーが答える「教えてgoo」というサービスを
告知しています。
テレビCMを出稿せずに、その分の媒体予算を
「大型ビジョン」や「屋形船の屋根」など
様々なOOH(屋外広告)メディアに配分しています。
特に交通ポスターは東京の65%の駅および大阪の85%の駅にて
30種類の広告を出稿したそうです。
この広告キャンペーンを手がけた「高松聡」氏
(当時電通、現グラウンド代表)は以下の様に発言されています。
“50%の広告リーチを得るにはTVで3000GRP投下
するしか方法がないと信じられてきたのですが、
このキャンペーンはその予算をすべて東京の65%の駅と
大阪の85%の駅張りポスターに投入したんです。
サラリーマンや学生は電車で通勤、通学していますから、
乗り換え1回としても1日の往復で6回駅を利用する。
月曜から金曜まで毎日駅張りポスターを見てくれるなら、
一週間で30フリークエンシーになります 。
また「教えて!goo」は会員にならなければ質問できない
のですが、それまで300万人だった会員が、
キャンペーン終了時には600万人に増えたんです。”
出典:読売ADレポート
http://adv.yomiuri.co.jp/ojo/02number/200510/10toku2.html
【高松聡氏】
日本は海外と比べると「TV媒体」のパワーはそれほど
落ちていませんが(「あるある大辞典」の事件などが
あったにも関わらずなぜかTV媒体の「信用度」は
上がっていたりもします)それでも広告する業種によっては
以前よりもTVメディアのパワーはダウンしていると思われます。
TVに限らずラジオ、新聞、雑誌はいずれ「インターネット上」に
「場を移す」ことで(移さないかもしれませんが)、
再び力を盛り返す様な気がしますが、過渡期である現状は
媒体パワーが落ちているのは否めない気がします。
そんな様々な媒体の力が弱まっている中、OOHメディアは
他のメディアに比べて状況がそれほど変わっていないので
他の媒体のパワーが落ちている分、逆に目立って見え始めている
様に感じます。しかもOOHが掲出されている場所を生かした
クリエイティブ表現が増えつつあり、以前よりも媒体としての
勢いや可能性も見えつつある気がします。
OOHはサーキュレーション(何人の人が広告を目にするか)や
「効果検証」に関しては課題がありますが、
昨今、ものすごい勢いで成長しているPCやモバイルなどの
「インタラクティブメディア」と組み合わせてキャンペーンを
立体化させるなどの解決策も考えられると思います。
明日はメディアニュートラルの「阻害要因」についてです。
0 件のコメント:
コメントを投稿