このブログでは優れたOOHやグラフィック広告事例を紹介するだけではなく時には問題点のある広告についても検証する予定で、第1回目は「キャデラックのOOH」事例。
このOOH広告には少なくとも2つの大きな問題点がある。1つ目の問題点は「中途半端」であること。自動車だかなんだかちょっとわかり辛い。そして2つ目の問題点は広告全体の印象として「いばりくさってる」ことである。
確かにキャデラックはアメリカ人にとってステータスのある車かもしれないが、昨今の消費者心理は「威張った車には乗りたかったとしても『これ見よがしなのはイヤだ』」ではないか。少なくとも日本人の多くはそうだと思う。いばった自動車に乗ること自体は悪いとは思ってなさそうだが、広告で「いばりイメージ」が助長されるのは気恥ずかしくなる気がする。これは矛盾したキモチだが人間にはそういう傾向があるのではないか。
アメリカ人は日本人よりもその辺の感覚が大雑把な気もするが、さすがにこのOOHは受け入れがたいのではないか。
広告先進国イギリスのクリエイターが以前、以下の様に発言していた。“消費者は大手広告主がスゴイ会社であることは「百も承知」であるので、広告においても自画自賛するような「オレってスゴイだろ?」的な広告をやられるとドン引きされてしまう。だから偉大な商品ほど少し自虐的なくらいな広告をやった方が消費者からは好感をもたれる”と。
広告は広告主から多額の広告費をもらって制作するから、ついつい気合の入った押しの強い表現になりやすいが、ちょっと力を抜いた表現の方が受け手には届きやすいということをこのOOH事例が逆に教えてくれる。
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