2008年1月31日木曜日

3次元マリオ。

本日は3次元ゲーム特集第2弾、
海外の3Dゲーム「DOOM」の
「スーパーマリオ版」の映像事例です。
最初の方はツマラないですが、
段々面白くなってくるのでご覧ください。



あれだけ見慣れたスーパーマリオの世界を
3次元の視点から見られるってだけで
かなりうれしいのに・・・


ステージクリア直前の「お城の旗」を
この視点で見られるなんて、かなり感激でした。


私は世界を新しい角度から見つめ直すのが
大好きですが(それってこういうことか?)
このゲームは、かなり見慣れた世界を別の角度から
見させてくれる大変面白い事例だと思います。

「クリボー」が拳銃で撃たれて
血しぶきを上げてる点を除けば
ハッピーで楽しい事例です。
ファンタジーの世界に「流血」は
ふさわしくないことが良くわかりました。

2008年1月30日水曜日

3次元テトリス。

またテトリスです。
本日は「3次元テトリス」のゲーム事例です。
昨日の「人間テトリス」に比べると
しょぼいですが個人的にやってみたい
ゲームではあります。




ものすごく難しそうですが、
かなりオモシロそうなゲームだと思います。
明日も3次元ゲーム、驚愕の事例です。
(何ブログだ!?)

2008年1月29日火曜日

人間テトリス。

本日は「則天去私さん」のブログで扱われていた
かなり面白い「人間テトリス」の事例です。

↓ClickHere!
http://souseki.search4search.net/2008/01/22/%e3%80%8c%e4%ba%ba%e9%96%93pong%e3%80%8d%e3%80%8c%e4%ba%ba%e9%96%93%e3%82%a4%e3%83%b3%e3%83%99%e3%83%bc%e3%83%80%e3%83%bc%e3%80%8d%e3%80%8c%e4%ba%ba%e9%96%93%e3%83%9d%e3%83%bc%e3%83%ab%e3%83%9d/


以前このブログでもご紹介させて頂いた
「人間インベーダー」よりもこちらの
「人間テトリス」の方が、
もっと面白いと思いました。

「則天去私さん」のブログは
「鋭い視点」であるだけでなく、
情報量もすさまじいので
ぜひともご覧ください。

2008年1月28日月曜日

インターネット動画。

本日は1/26土曜に六本木で行われた
インターネット動画イベント
「動画人JAPAN」のレポートです。
このブログは「広告系ブログ」ですので、
「広告的観点」からインターネット動画の
考察をしていきたいと思います。
http://dougajin.com/event/


これまでのインターネットは、
文字や写真・絵などの静止画が主流でしたが、
技術が進歩して映像でブログをやる人などが
段々増えてきたそうです。

今後、グーグルの「アドワーズ」的な感じで、
「検索連動型」の「映像CM」などがガンガンに出てきたら、
これまでCMをやりたくても媒体費がなくてやれなかった
「準大手の広告主」がたくさんネット動画広告に
参入する可能性もあると思います。

そうすると新たな映像市場が生まれ
「ネット映像クリエーター」の様な、
新たなそして巨大な雇用も生まれる可能性があります。
ひょっとしたらロングテール的に中小企業レベルでの
動画広告市場が生まれる可能性も無くは無い気もします。

私自身も過去に仕事で映像の演出や編集を
したことがありますが、映像系の仕事って、
とても楽しくてかなりヤミツキになる感じがしました。

「映像マーケット」がもっと大きくなって、
より多くの人が映像でビジネスができるようになると
かなり楽しい社会になる気がします。

このイベントでは、そういった「超大型映像社会」の到来の
兆候のようなものを感じました。

イベントでは数々のクレイジーなビデオブロガーの方々の
プレゼンがありましたが、みなさんある意味、
自分のテレビ局を運営している的な感じでした。
しかもこれまでのテレビ局とは違って
表現チェックが無いためタブー的でなおかつ
マニアックそしてテレビの深夜番組以上に
実験的な映像が多くて面白かったです。

1990年代のアメリカのケーブルTVから
「マイケルムーア」が出てきましたが、
そんな感じの可能性もある気がしました。

イベントは六本木のオシャレなクラブで
200人くらい参加していてかなり大盛況でした。
司会は広告ブロガー飲み会にも参加されていた
アジャイルメディア・ネットワーク株式会社の
徳力基彦さんで(http://blog.tokuriki.com/
同じく広告ブロガー飲み会に参加されていた
時事通信の湯川鶴章さんの(http://it.blog-jiji.com/
ネット動画に関するお話があり、
そしてEmTVのデモンストレーションがありました。(http://www.emtv.from.tv/

第2部は海外のビデオブロガーSchlomo Rabinowitzさんによる
トークショー(http://schlomolog.blogspot.com/
モデレーターはタジーさん(http://amino-tajee.com/

そして「ヒマナイヌ」さんと(http://www.himanainu.jp/
「ふりふり組織ソーシキ博士」さんと
http://homepage2.nifty.com/furifurisoshiki/
エンタの神様にも出演しているデジタル芸人の
「アキラボーイ」さんの飛び込みプレゼンがありました。
http://www.akiraboy.com/

【アキラボーイ「ネタ画像」】



第3部は日本のビデオブロガーによる発表会で、
これがかなり面白かったです。

ビデオチャットを使用しながら集団で
映像をアップして、時間がある人が編集をするという
かなりクリエイティブな仕事の進め方をする
「Tokyo Drift」さんの事例。(http://tokyodrift.jp/) 
面白い買物などを紹介するビデオブログ
「ジェット☆ダイスケ」さん(http://shobizuba.com/

そして、この日のイベントで最も盛り上がった
365日面白い映像を作り続けてネットで公開する
メグウィンさんのMEGWINTVの(http://megwin.com/) 
そうとうイイ意味でくだらない映像が紹介されました。
MEGWINさんの映像は「MTV」に注目されて
同社のキャンペーンでも使用されたとのことです。

【MEGWINTV「ピタゴラ拷問スイッチ」】



【MEGWINTV「240個のバブをお風呂に入れる」】



インターネットは「ジャッカス」的な
くだらない実験やチャレンジをする映像というのが
妙に栄える感じがしました。

何年か前にアメリカでもミントキャンディーの
「メントス」をダイエットコークに入れると
吹き出しまくることを利用した、
くだらない映像がかなりバイラルしまっくった様に、
日本でも同じような動きが今後多発する可能性も
あると思います。

【Diet Coke + Mentos 】



「広告」としては、どの様にこれらの
ネット的マニアック系オモシロ映像と向き合っていくか
というのは、かなり「慎重」にかつ「前向き」に
考えていくかというのが今後の課題の一つと感じました。

会場には電波少年のTプロデューサーでおなじみの
「土屋プロデューサー」もいらっしゃっていましたが、
「ビデオブログは」メディアの大物も
注目している動きの一つなのだと思われます。

2008年1月27日日曜日

クリスピンポーターボガスキー⑦

CP+B特集、本日は最終日ですので
まとめて3つの事例を取り上げます。

まず1つめはCP+Bが有名になり始めた
1990年代初頭カナダの「モリソンビール」の事例。

この「モリソンビール」の事例も
背景には綿密なアカウントプランニングが
存在しております。

カナダにおける若者のビールの選択動機は、
ビールの「味」や「特長」ではなく、
それを飲んでいる自分が、いかにカッコイイか
というのが真のインサイトでした。

さらに若者はカッコいいアルコール飲料を飲む場合には
無意識にラベルを他人に見えるようにして
自分は「クール」であることをアピールをしている

というインサイトから、
「ラベル」を軸にしてコミュニケーションツールにする
という戦略が導き出されたそうです。

そのためCP+Bは様々なタイプのコピーが
書かれた「ラベル」を複数タイプ制作して
「シール型雑誌広告」や「販促ツール」として
若者たちに配布しました。





このキャンペーンはカナダの若者たちに
ヒットしまくって、モリソンビールは
大人気になったとのことです。

この事例もクライアントが日夜、
一生懸命つくっている「ビールの味」など
「製品間の明確な差異」ではなく、
「ラベル」というデザイン次第でどうとでも転ぶ
「曖昧」な要素およびそれを
他人にアピールする「行為自体」を、
広告コンセプトにしています。

しかしその「スタイル」こそが
若者の真の購入動機であるため、
広告での強調点は「スタイル」だけで良いという
戦略になったと思います。

でも、これがいかに正しい戦略だとしても
実際のビジネスの現場では、この様な提案は
なかなか受け入れられない場合が多いと思います。

もちろんクライアントは、
良い商品作りに日々取り組まれていると思いますが、
だからといって広告で製品特長を強調すべきかというのは
別の話だと思います。
(もちろん、製品特長を強調するのが
 ベストソリューションであるケースもありますが)

「製品コンセプト」と「広告コンセプト」は 多くの場合、
別に考えなくてはならないと思いますが、
特に日本の場合は、この2つが「ごちゃまぜ」に
なることが多いです。

稀代の天才ADジョージロイス氏の言葉を借りれば、
アナタ(クライアント)は製品を作ってください。
ボクは広告を作ります。

であると思います。

広告費を支払う側である「クライアント」と
広告費を頂く側である「広告会社」は、
本来は対等な関係であるべきだと思います。

でも多額な広告費をもらっているため、
広告会社は「イエスマン」になりやすく、
どんなに他人の客観的な視点で見て明らかに
正しいと思われる指摘もしないことが多いです。

その結果、クライアントを「褒め潰してしまう」
ケースも多々あります。
クライアントに敬意をしっかりはらったうえで、
丁寧かつ誠実に理路整然と指摘をすることも
時には必要だと思います。

親友のことを真剣に考えたら苦言を言うべきですが、
しかし言わないことの方が多いです。

そもそもクライアントの語源は「患者さん」であり、
広告会社とクライアントの関係は、
お医者さんと患者さんの関係の様な感じであるべきです。
お金をもらっているけど対等な関係を築くべきです。

しかし現実の日本の広告界は「媒体中心」の商取引ですので
対等な関係を築いている広告会社はおそらく少なくて、
もっと言えば「業者的な立ち位置」にいるケースが大半です。
ヒドイ時は「焼きそばパン買って来い」みたいに
「パシリ的」に使われるケースもあります。

クライアントに信頼してもらって対等に
付き合っていけるような
「プロフェッショナリティ」および
企画に伴う対価を頂く「フィー制度」を
確立することが重要である気がします。

2つめの事例は航空会社の
「ヴァージンアトランティック」の事例。
この事例もなかなかクレイジーです。



海外出張には「ヴァージン」というイメージを
強めたいというのが広告目的でしたが、
ターゲットである「頻繁に海外出張をする人」が
最も長い時間接触しているメディアは、
出張時の宿泊先のホテルの「有料アダルト番組」
であることが調査によって明らかになったそうで、
(どんな調査だ?)
よってCP+Bは、海外ポルノの様なトーンで
「ヴァージン」による海外出張の良さを
アピールしたCMを「有料アダルトチャンネル」で
オンエアしたそうです。
つまり[使用メディア:エロチャンネル]だったとのことです。

しかしこのメディアインサイトも正しかったらしく、
ヴァージンは低予算で予想以上の広告効果を上げたようです。

3つめの事例は日本でもおなじみの
洋服チェーン「GAP」のリニューアル告知キャンペーン。
監督は「スパイクジョーンズ氏」です。





このCMは個人的にも大好きなCMですが、
このCM案も、もし私自身がプレゼンするとしたら
どのツラ下げてクライアントにプレゼンしていいかわかりません。
「GAPの店内をメチャメチャに破壊します。」
「最後に自動車がドカーンとGAPに突っ込みます。」

なんてGAPの人たちには言えません。

たぶん日本でこのCM案をクライアントにプレゼンしたら
「永遠に来るな」とか言われそうです。

しかし、広告の送り手であるクライアントの視点ではなく、
広告の受け手であり「真の広告“対象者”」である
若者のインサイトを考えてみると、
このCMはかなり「正しいソリューション」を
提供している様に感じます。

たぶんアメリカでGAPは少しダサイ洋服屋と
思われてる気がしますし、
ファッションカテゴリーにおいて
「クール」に思われるかどうか、という点は
かなり重要な要素だと思います。

そのGAPがクールにリニューアルしたことを
かなり「自虐的」に「破壊的」に描くというのは、
一見非常識なようでいて、
おそらく若者は、この「自慢しなさ加減」に対して
クールに思うでしょうし、
「GAPが変わるんだな」という知覚目標が
しっかり達成されると思います。

逆にこのぐらいインパクトが無いと
現在の情報洪水の中で「あっGAPって変わったんだな」
などと思ってはもらえない気もします。

特に若者に対してはヘタな広告を作ると
「ケッ、広告が何言ってやがんだ」などと
思われるのが関の山です。

私はこのCMたった1本で
かなりGAPがクールに見える様になりました。
大げさかもしれませんが本当です。

何でもかんでも過激な表現が良いとは思いませんが、
このケースにおいては、この表現はアリな気がします。

とはいえクライアント自身が多額の広告費を払っているのに
クライアント自身のプライドが傷つけられる様な
内容のCMを受け入れてもらえるケースは
少ないと思います。
しかし、消費者はみんな大企業はスゴイということを
良くわかっています。
でもスゴイ人が、さらに自慢をしてイイかというのは
別問題です。

人間社会でも謙虚で自虐的な人が人気が出ますし、
イバッた人は敬遠されるように、
広告においてもヘンにいばらず、
謙虚に、時にプライドを抑えて確信犯的に
「自虐的」なくらいにコミュニケーションをする方が、
結果、「大きな好感度」を獲得できることも
あると思います。

ただしこのGAPのCMの様に過度に過激な
表現手法は同時にリスクも伴いますので、
かなり慎重に企画しなければいけないと思いますが。

広告は現実の人付き合いなどの
リアルなコミュニケーションと違って、
「顔が見えない」「不特定多数」の人々に
「顔を合わさず」説得する行為ですので、
おもいっきり自慢した感じになりやすいです。

面と向かったコミュニケーションでは、
相手に自慢しまくると「ドン引き」されるという
反応を如実に目にしますので
自慢している側もおのずと自慢をやめますが、
広告は相手が見えないから「自慢」や「押し付け」
そして「一方的な願望」のオンパレードに
なりやすいです。

調査では、この辺の「ドン引き」具合は
現れにくいと思います。

「ゴミを捨てるな」と書いた途端、
ゴミの数が増えたり、
「未成年は見てはいけない」と言った途端、
莫大な数の未成年が見る(カリギュラ効果)
好きなのにキライと言ったり、
うれしいのに泣いたりする。

この様な「理不尽さ」が人間の特長なのです。

その人間の「理不尽さ」をプランニングに組み込まないと
しかるべき広告効果は出にくいと思います。

「GRP(視聴率の総合計)」に代表される
「広告効率」および「単純接触(催眠術)効果」
偏重な時代は終わっていると思います。

クライアントに成功して頂くことが
広告会社の成功だと思います。
広告において「効率」と「効果」は
数字で把握しやすい「効率」議論に偏りやすいです。
何をもって「広告の効果」かを示すのは
かなり困難ですが、だからといって
「効果」はないがしろにして良い訳ではなく
むしろかなり重要のものだと思います。

CP+Bは、数々の破天荒なキャンペーンを
手がけてきましたし、否定的なことを言われる事も
多いですが、絶大なる「効果」を出し続けてきた
誠実かつクレイジーな広告会社なのだと思います。

CP+Bは最近「ナイキ」のアカウントも
獲得したらしいので、今後も目が離せない会社です。

2008年1月26日土曜日

クリスピンポーターボガスキー⑥

CP+B特集6日目の本日は、
「コークゼロ」の事例です。

「コークゼロ」は去年カンヌを受賞したCMの
クリエイティブが個人的には面白いと思ってたのですが
「YouTube」でも、CP+BのHPでも
発見できなかったので、
その代わりに「最新の事例」を取り上げます。

メインキャラクターに「架空の弁護士」を設定して、
「コークゼロ」を起訴するというキャンペーンです。

起訴内容は「クラッシックコーク」と
「コークゼロ」の味がそっくりで、
怒った「クラッシックコーク」の
架空のブランドマネージャー(俳優)が弁護士事務所と
組んで「コークゼロ」ブランドを訴えるという内容です。

テレビ・ラジオ・OOH・WEBなど
あらゆるメディアで展開しました。
CP+Bのお家芸です。






TVCMやWEB映像では、
ブランドマネージャーと弁護士が
地下室で密談している様子を
「隠しカメラ」で撮影したものを放送。

「クラッシックコーク」と「コークゼロ」の味が
識別できない消費者には「苦情はこちらに」と、
ホットラインを設定して、連絡した消費者には
お礼の手紙とコークゼロの無料クーポンを
プレゼントしたそうです。

「コークゼロ」の総広告費は80億円ぐらいだそうですが、
炭酸飲料市場における新製品の売上高シェアとしては
異例の1.3%を獲得(これでもかなり多いそうです)。
ビジネス的にも大成功したキャンペーンとのことです。

CP+B特集、最終日の明日は
様々な事例を取り上げます。

2008年1月25日金曜日

クリスピンポーターボガスキー⑤

CP+B特集5日目の本日は
「フォルクスワーゲン」の事例。

BMWのMINIで名を上げたCP+Bですが、
MINIの宣伝部のキーマン(確か女性?)が
ワーゲン社に転職したのをきっかけに、
MINIの担当をやめて「フォルクスワーゲン(以下VW)」の
北米アカウントを担当することになりました。

ちなみにCP+Bが去った後のMINIの広告は現在、
カナダにあるエッジな広告会社「TAXI」や、
ドイツにある超クレイジーな広告会社
「Jung von matt(ユンゴボンマット)」などが
担当しています。
(ユンゴボンマットの事例は、いつか特集します)

CP+BがVWを担当してまず始めにやった広告が、
以下の写真↓にある 「黒いキャラクター」を設定して、
CMなどあらゆるメディアの広告に登場させたり、
実際に消費者プレゼントをするというキャンペーンでした。

この「黒いキャラ」は、運転者に対して、
「悪のささやき的な」助言をします。

このキャンペーンはいろんなサイトで何回も
説明を見たのですが、個人的には
もう一つ意味がピンと来ていません。
しかしカンヌを受賞しています。


この「黒いキャラ」に続いてCP+Bが仕掛けた
次のキャンペーンは、 謎のドイツ人系男女のキャラによる
(ワーゲンはドイツ生まれの自動車なので)
キャンペーンです。
このキャンペーンだけでも
様々なバージョンがございますので、
CP+BのHPで見て頂ければと思ってます。

このキャンペーンの女性キャラである
「ミス・ヘルガ」さんというキャラクターは、
アメリカ最大のSNS「MySpace」を通じて、
様々な方向で展開してバイラルしました。

一方的に4マス媒体で広告するだけでなく、
WEBメディアによるユーザーの自発的な
「情報拡散」を計算した大型なバズキャンペーンです。



その他にも、このブログでも以前取り上げた
Jettaの「衝突」CMなど優れたキャンペーンが
たくさんありますがキリがないので割愛します。


CP+B特集6日目の明日は、
コカコーラゼロの最新事例です。

2008年1月24日木曜日

クリスピンポーターボガスキー④

CP+B特集4日目の本日は、
「バーガーキング」の事例。

このバーガーキングの事例も多様でクレイジーな
キャンペーンがたくさん存在しますが、
キリがないので代表的なものだけ
取り上げさせて頂きます。
(以前取り上げた「従順なチキン」や
「シンプソナイズミー」などは割愛いたします)

CP+Bが「バーガーキング」の広告を担当した当初、
「バーガーキング社」の業績は絶不調で、
倒産も間近と言われていたそうです。

しかしCP+Bが広告を担当してから
数々の常軌を逸した広告キャンペーンにより
全米の若者の間で「バーガーキング」は
「クールアイコン」になり、
業績も奇跡的に回復をしたそうです。

以下のキャンペーンは、
バーガーキングのメニューの中にある
2つの異なる「チキンバーガー」を
キャラクター化して実際にイベントで戦わせたり
WEBゲーム化した事例です。

【格闘イベント】


【WEBゲーム&映像】


↓ClickHere!
http://216.133.225.2/


とかく広告主は、自社内のブランド同士を競わすことを
敬遠しがちです。
「カニバリ(共食い)現象」と言って、
自社の製品間のシェアを奪い合っても意味がないという
考え方が主流です。

しかしこのバーガーキングの事例は、
自社内の2つのブランドを競わせることで、
両ブランドにもシナジー効果を起こさせて
商品も爆発的に売れました。

昔、日本のテレビ番組がやっていた
ポケットビスケッツVSブラックビスケッツの
どちらか負けた方が解散するという企画の様な、
内輪で「対立軸」を設定してシナジーを起こす手法に
近い気がします。
高度なマーケティング手法だと思います。

この「チキンファイト」キャンペーンは、
この格闘キャンペーンの後、
チキンキャラがクレイジーな「バイクスタント」に
挑戦する映像をWEBで流すなど
さらにくだらない方向に発展していきました。
日本でいう「ガチャピンチャレンジ」みたいな
感じでしょうか。



一連の「チキンキャンペーン」の次に
CP+Bが仕掛けたキャンペーンが
バーガーキングの「キング(王様)」に
引っ掛けた「王様キャラ」を設定して
あちこちに登場させて「ポップアイコン化」
させるという戦略でした。

以前このブログでもご紹介した
バーガーキングの王様やチキンなどの
キャラクターをゲームソフト化して低価格で
販売したキャンペーンをはじめ、
映画「マルコビッチの穴」の監督である
スパイクジョーンズ氏が監督した「映画」など
様々な場所で「王様キャラ」を登場させています。

以下の写真は、アメリカの「セレブ」の動向を
パパラッチの画像で紹介する有名な
サイトがあるらしいのですが、
その中で有名女優と「王様キャラ」が密会している
写真を意図的に掲出したりしたそうです。




ちなみにバーガーキングの最新事例は
広告ブロガー飲み会を主催された高広さんの
ブログ『mediologic.com』
http://www.mediologic.com/weblog/archives/001507.html
およびオガワくんのブログで見られるので
ぜひご覧ください。
『Bite'n Eat All the thing.』
http://beatanything.jugem.jp/?eid=53

たぶんこれら一連のバーガーキングの広告キャンペーンは
アメリカ国内でリアルに接触してたら、
かなり面白く感じる気がします。
「ビジネスと直結していない感じ」が逆に
受け手である若者たちにとっては
「自発的に広めてみたい」という余地が残されていて
「クール」と思われているはずです。
これはWeb時代における高度なマーケティング手法だと思います。

多くの消費者は広告があまり好きではなく、
というか広告なんてどうでもイイと思っていて、
その中では「エンターテイメント性」が強くてかつ
「売ろうとしない」という話法の一連の
バーガーキングの様な広告が「逆に売りにつながる」
という現象が顕著になっていると思います。

「売るために売ろうとしない」
この「禅の境地」の様な哲学をもっとマーケティングに
組み込まないと、実際の消費者から
どんどん乖離していくと思います。


CP+Bは、時々フザけ過ぎていて
「クレージー過ぎる」などと言われることがある様ですが、
しかし、やり方はクレイジーに見えますが、
結局、他の広告を凌駕するような「絶大な結果」を
出していると思います。

このキャンペーンの後ぐらいから、
CP+Bは「大企業系」のクライアントを
担当するようになります。

CP+B特集5日目の明日は、
フォルクスワーゲンの事例です。

2008年1月23日水曜日

クリスピンポーターボガスキー③

本日は、CP+B特集の3日目
BMW「MINI」の事例です。

本日は、とある書籍内の文章を
カット&ペーストいたします。

参考資料/日本実業出版社
「アメリカの広告業界がわかれば
 マーケティングが見えてくる」より


アメリカにおけるBMW「MINI」の
キャンペーンのエージェンシーを選択する
競合コンペには15社が参加した。

その結果、フロリダ州マイアミにある
クリエイティブエージェンシーのCP+Bが、
他の有名なエージェンシーを抑え、
見事に獲得した。

CP+Bが選ばれた理由の一つは
2000万ドル(24億円)といわれる
キャンペーン予算だろう。

まったく新しいブランドを立ち上げるには、
かなり厳しい額だ。

これに対しCP+Bは
草の根的アプローチでキャンペーンを開始した。

全米ネットワークのテレビは使わずに、
ビルボード、ポスター、ウェブサイト上での
プロモーションビデオなどをうまく組み合わせて
使ったのである。

テレビを使わないというのは
新車のキャンペーンとしてはかなり型破りであり、
大手のエージェンシーではできない発想だ。

莫大な媒体費をかけてテレビCMを流さなくても、
インターネットなら動画も見られるし、
その映像を映画館でも流した。

MINIのキャンペーンは
ターゲットを都会に住む低予算でオシャレな
ライフスタイルを楽しむ若者層に絞った。

都会の若者はいま、どの企業にとっても
重要なマーケットだ。

車のみならず、ファッション、音楽、スニーカー、
ソフトドリンク、ゲームなど、現在のアメリカで
急速に伸びているセグメントの需要の中心を占める層である。

このような顧客層にアピールするには、若くて
才能のあるクリエイティブがいるエージェンシーを
使う必要があった。


MINIの広告には、このブログでは
ご紹介し切れないくらい複数のクレイジーな
広告群が存在しますが、
本日はその中でも比較的わかりやすい事例を4つ
ご紹介させて頂きます。

【MINI事例①】

看板の近くにある「やしの木」を利用することで
MINIの疾走感を訴求。

【MINI事例②】

自動車とコーナーのオブジェを看板に
使用することで、MINIのコーナリング性能の
良さをアピール。

【MINI事例③】

4WDの上にMINIを載せて街中を走ることで、
かなり「小さな自動車」であることを訴求。

【MINI事例④】
ゲーム形式のバナー広告により、
MINIの疾走感を体感的に訴求。
↓ClickHere!
http://www.bannerblog.com.au/2006/05/mini_slot_car.php


CP+B特集4日目の明日は、
「バーガーキング」の事例です。

2008年1月22日火曜日

クリスピンポーターボガスキー②

本日はCP+B特集の2日目。
CP+Bが大躍進するきっかけになった
フロリダ州アンチたばこプログラム
「truth(真実)」キャンペーンの事例。

このキャンペーンは1999年の
「APG USアワード」という
アカウントプランニングの広告賞で
「金賞」を受賞しています。

「truce」キャンペーンの中には
優れたCMがたくさんあるのですが、
YouTubeで発見できませんでした。
「CP+BのHP」で何本か見られますが、
本当に面白いCMはなぜかアーカイブされてないので
本日は文章中心になってしまいますが
ご了承ください。
関心がある方は、後でご覧いただけますか。
↓「CP+B」HP→truceをクリック
http://www.cpbgroup.com/

まず先に「truce」戦略を簡潔にお伝えしますと
非常にシンプルですが、
『CP+Bは「嫌煙」を若者たちの間で
「スタイル」に仕立て上げた』
というのが戦略です。
優れた戦略は往々にしてシンプルです。

例えば以下のTシャツは「truceキャンペーン」の
プレゼント用として制作されたものですが、
屋内では普通のデザインなのに、
太陽の下に出ると特殊インクで書かれた絵柄が現れて
「8秒ごとにタバコが原因で一人死んでいます」という
メッセージに変化するという変則Tシャツです。




この表現例そのものは、
めちゃめちゃ斬新というわけでは無いですし
最終的な戦略は「嫌煙をスタイルにする」という
シンプルなものではありますが、
この「truce」キャンペーンの根底にある
「アカウントプランニング」戦略は
きわめて優れています。

ということもございまして 、
博報堂から出版されている雑誌「広告」の
バックナンバーの特集からの引用を中心に
CP+Bの様々なインタービューなどから抜粋して
「クリエイティブブリーフ」形式にアレンジしてみました。
(「クリエイティブブリーフ自体の特集は、いつかやる予定です)
※この「クリエイティブブリーフ」のフォーマットは、
 個人的に勝手に作ったものです。

CP+Bの様にクレイジーな広告をつくる会社は、
とかく「表現」だけで判断されて誤解されやすいですが、
最終的なアウトプットである「広告表現」は
あくまでも「表面的」な「氷山の一角」にすぎず、
その背景にある目には見えない「戦略」「インサイト」
「アドアイディア」が重要ですので、
「内視鏡」を入れて表現の奥底に潜む「戦略」を
分析してみます。

以前ご紹介させて頂いたジョンスティール氏著の
「アカウントプランニングが広告を変える」によれば・・・
クライアントは鼻ピアスをした20歳そこそこの若造の
「大丈夫。マジでカッコイイっす」の一言に、
マーケティング予算、市場シェア、収益性、株価、
果ては自分自身のキャリアをも賭けてみようとは思わない。

というクライアントインサイトもあると思いますし。

以下が「truce」キャンペーンの
クリエイティブブリーフ(仮)です。

◆広告をするに至った背景
1998年フロリダ州政府は、
タバコメーカーから得た示談金2億ドルを財源に、
それまでどの州でも成功したことのないティーンズを対象とした
フロリダ・アンチタバコ・プログラムに
着手することを決定した。

①Objective/広告目的
『10代の喫煙率を低下させる』
全米において一日に3000人の子供たちが喫煙を始めている。
そして実にその3分の1が最終的に喫煙が原因で命を落としている。
広告の力によってこの状況を変えたい。

②Target/ターゲット
『フロリダ州の男女中高生』

③Target Insght/現状のターゲットの心理・インサイト
『タバコを吸うことで「反抗心」がアピールできる』
と思い込んでいる。
・ティーンズにとって喫煙は
 AIDS、SEX、ドラッグ、校内暴力のような
 大きな問題とは捉えられてない。
・喫煙は10代の子供たちの反抗心や自己表現と
 結びついている。
・彼らがタバコを手にするということは
「今、自分は人生を自分自身でコントロールしている」
 ことを表現する実に簡単な方法である。
・健康的な脅しも、人生的にかなり先の話なので
 無軌道で若い彼らにとってピンとこない。
・何しろ上から命令するような言い回しは
 若者たちにとってはむしろ逆効果である。
・そして「不健康さ」が逆にクールであると思っている。
・それまでの広告は以下の3パターンの類型にハマり込んでいて
 大して効果を上げていなかった。
①「タバコをやめよう」など一方的な願望を押し付けるだけの広告
②ガンになるとか肺が真っ黒になるなどの「脅し」広告
③タバコをやめたら爽やかな生活になるという広告
この3つの広告話法のみに陥っていたという点が
この業務における「コンベンション(慣習)」だと思います。
◆Key Insight/最も重要な心理・インサイト
『10代の子供たちのブランド志向と反抗心』
「大人というのは嘘つきで私たちをごまかそうとする存在だ」
という年頃の子供なら誰もが抱く猜疑心の周辺。
一方でタバコをクールなものとして宣伝しておきながら、
その同じ口でタバコを吸うなと説教がましく言う大人を、
どうやって信用しろというのか、という心理。

④Perception Goal/ターゲットに新たに与えたい意識
『「タバコを拒否する」という行為を、
 彼らの反抗心をかきたてるようなブランドに仕立て上げる』



⑤Proposition/③な人を④に変える決定的な訴求点(1つ)

『タバコ産業は大人が操っている
 欺瞞に満ちた産業であり、反旗を翻すに値するものだ』

若者が大人たちへの反抗という
スタイルとして吸っているタバコそのものが
タバコ産業という大人たちが作り出したもので、
彼らは単に踊らされているだけだ。
そこに気づいて反旗を翻そう。

⑥Execution/表現戦略
『その欺瞞のカーテンを暴き、
 彼らが知るべきことを明らかにする運動を
「truth(真実)」と名づけブランド化することにした』

⑦Support/⑤が有効である根拠・裏づけ
『忘れがちだけど若者がクールと思っているタバコ産業は、
 オジサンたちが仕切っているビジネスだという
 純然たる事実がある』
・若者は「クールでない」ことには耐えられない。
・同時に「広告」という存在そのものもウソくさいけど
「truth」という 真実に基づいた広告キャンペーンは
信用でき無くは無い感じがする。

⑧Tone&Manner/⑤をどの様な「印象」で伝えると効果的か
『事実に即した「クール」で「反抗的な」表現トーン』
若者にスタイル化させるために、
ヘンに若者に媚びた表現ではなく、
事実に即しつつ、押し付けがましくないトーン。

⑨MediaStrategy/⑤を「いつ」「どこで」伝えると効果的か
『4マス媒体だけではなく街でのムーブメントに見える様に
「OOH」や「イベント」「バイラル」も重視』
10代による反タバコサミットの開催に始まり、
10か月の間にTVCM、
7つの屋外ボード、
8つのプリント広告、
4つのポスター、
ポストカード、
インターネットホームページによって展開。
またティーンズ向けのイベント会場で
Truthロゴ入りのTシャツや帽子、ステッカーなどが配られた。


⇒【このtruceキャンペーンによる結果】
周囲の「実効には時間がかかるだろう」との観測を裏切り、
90年代に全米で73%にまで上昇し続けてきた喫煙率が、
10ヵ月に高校生で8%減、中学生で19%減という
画期的な減少として表れた。
そして当時のクリントン大統領は
どの州でも なし得なかったこの快挙を称え
「フロリダでの成果は、全州でも実施するに値する」との
コメントを寄せることとなった。



※日本では国民性も違うので上記のブリーフとは
 違うブリーフになる可能性が高いと思います。

明日は「truceキャンペーン」の後、
CP+Bがさらなる大飛躍をとげるきっかけとなった
BMW「MINI」のキャンペーン事例です。

2008年1月21日月曜日

クリスピンポーターボガスキー①

本日から7日間、このブログでも度々扱わせて頂いている
「クリスピンポーターボガスキー(以下CP+B)」を特集します。

CP+Bの設立は1965年ですが、
1980年代後半にクリエイティブディレクターの
アレックス ボガスキーが共同経営者に加入して
数年経た後、全米屈指のクリエイティブエージェンシーに
変貌しました。

現在では「世界最高のクリエイティブエージェンシー」
とも呼ばれています。

【Chuck Porter】


【Alex Bogusky】


CP+Bはマキシコム/Maxxcomという
クリエイティブエージェンシーばかりを集めた
年間取扱高1億7700万ドル(212億円)で、
2001年ランキングで18位という比較的
小さなホールディング会社の傘下にあります。

「オムニコム」や「WPP」「インターパブリック」の様な
「3大メガエージェンシー」の傘下ではなく、
「投資会社の傘下」にあるらしいです。
日本ではあまり聞いたことがないケースだと思います。

本社はNYやLAではなくアメリカの地方都市「マイアミ」にあり、
優秀なクリエイティブエージェンシーの所在地としては異例。

しかしナイキでおなじみのワイデン&ケネディも
オレゴン州「ポートランド」という、かなり地方都市に
あることから見られるように、
海外の場合「クリエイティブ革命」を起こすような
本当に創造的な会社は、毛沢東の名言「革命は農村から」
ではありませんが地方都市から出てきているケースが
多いとも言われています。

以下の写真は↓CP+B社内の打ち合わせブースですが、
ソファーの席は、まぁいいとして奥にある「小劇場」もしくは
「大学」の様な座席があるのが、かなりシュールで面白いです。

CP+Bでは打ち合わせを「寝そべりながら」とか
「ジョギングしがら」するとのことです。



CP+Bの写真をいろいろ検索していたら、
その中に社内での仕事風景の写真があったのですが・・・



その中に一人「鬼畜米兵」と書かれたTシャツを着た
「米国」の人と思われる人がいました↓。



きっとイイ意味で、くだらない人たちが
大勢いる会社なんでしょう。

話は変わりますが、CP+Bの社訓の一つに
「ベスト アイディア イズ ボス」というものがあります。
これは「年功序列」や「社内政治」ではなく、
純粋に優れたクリエイティブを考えた人が偉くて、
そのアイディアそのものが、全社員の「ボス」になる
という考え方です。

これは当たり前の考え方だと思いますが、
どうしても年長者の意見が勝ってしまうということは
日本に限らず海外でも多い気がしますので
なかなか守れている会社は少ない気がします。
CP+Bは「アイディア」を「経営資源の本質」と
捉えている見識ある会社なのでしょう。

前述のアレックスボガスキーは2004年に
「世界最高のCD」に選ばれていて、
「世の中にある全ての物がメディアだ」などの名言があります。

以前、私の昔の上司がCP+Bを視察に行かれたことが
あるのですが、その時もCP+Bは、
野球場の年間指定席を20席ほど押さえて
座席を取り外して、そこ自動車を展示するという
クレイジーな作業をしていたそうです。
本当に「あらゆる物がメディア」である会社です。

明日は1997年にCP+Bが大躍進するきっかけとなった
フロリダ州アンチたばこプログラム「truth(真実)」の事例です。

2008年1月20日日曜日

Wiiテニスの雑誌広告。

本日は任天堂Wii「テニスゲーム」の
独創的な雑誌広告事例。



上部写真の雑誌右下部分が
Wiiリモコンのビジュアルになっていて、
ページをめくるとテニスのスイングをした
ビジュアルに変わっていることによって、
Wiiリモコンの「使用感」を
「擬似的」に「体験」させています。

アナログメディアなのに妙にインタラクティブな事例。

来週は7日間かけて現在世界最高の広告会社と言われる
「クリスピンポーターボガスキー」の特集をします。

2008年1月19日土曜日

ロッキーが帰って来た。

本日は昨年、久々に上映された
ボクシング映画「ロッキー」最新作の
街頭ゲリラPR事例。



ボコボコにされて顔面が腫上がった大勢の男たちが
「ロッキーが帰って来た」と書かれたTシャツを着て
街中を歩き回るというもの。

面白い事例だと思いますが、
これではロッキーが「街の暴れ者」に見える気もします。

2008年1月18日金曜日

変則的プロダクトプレイスメント。

本日は、超小型自動車「smart」の
プロダクトプレイスメント(PPL)事例。



このブログでもこれまで何度かPPL事例を
取り上げてきましたが、
この事例はなんて言ってイイかわからないですが
とにかくなんかスゴイ感じがします(なんだその感想は)。

広告的にもsmartの「小ささ」を表現出来ているので
しっかりしているとも思います。

2008年1月17日木曜日

広告系ブロガー新年会③

広告ブロガー交流会レポート、
最終日のテーマは「広告ブロガーさん」の
全般的な感想。

ピータードラッカーの名言で、
「既に起こっている未来を見つけろ」というのが
あった気がしますが、
先日の広告ブロガー新年会の中に何点か
「既に起こっている未来」を感じました。

まず特に感じた点ですが
広告系ブロガーは(と言うよりWeb系の人たち?)
「ニュータイプ」な感じがするという点です。
かなり乱暴に一言で言い切ると
「オタクタイプ」なのに「社交的」です。
誤解を与える表現かも知れませんが、
これはかなり良い意味で書いています。

Web系の人たちは「検索文化」がベースにあるので、
「知識」や「情報」の量が豊富であるという
「オタク的」な要素も持ちながらも、
パソコンに向かいつつも
それはネットによって「開かれた社会」なので
「他人との付き合い」も上手で
かなり「社交的」な感じがしました。
魚民での名刺交換におけるフットワークの軽さは
正直、予想外でした。

私はWeb時代こそ、逆に反動で
「実行力」「フットワーク」などの
「アナログ力」がカギになると思っていますが
まさにWeb系の人たちはデジタルだけど
イイ意味でのアナログ性も兼ね備えている感じがしました。

ものすごい偏見ですが「オフ会」って
みんなだまって下を向いたまま3時間過ぎる的な
印象を勝手にもっていました。
なぜなら私自身がそういうタイプだからです。

しかし、みなさんイイ意味で
スゴク腰が軽い感じがしました。
しかも「他人を立てる」文化が根強くある感じがして
大変素晴らしいと感じました。
褒められてイヤな気分になる人なんていませんですしね。

このハッピーな感じって、これまでの
広告系パーティーやコミュニティーでは
あまり感じられませんでした。
別に今までが悪いわけではなくて、
Web系の人たちが「開かれている」という印象です。

この「他人を立てる」というメンタリティの背景には
Webを象徴する概念として「AISAS」に代表される
「Share・シェア(分け与える)」精神ではないか、
と感じました。
※「AIDMA」「AISAS」に関しては
  長くなるのでご存知ない方は検索で調べて頂けますか。

「情報をシェアする」という文化は
個人的には物凄く良いことだと思っています。
(「Share」イメージ写真)


とかく人間って「ある情報」を自分だけで
独り占めした方が、他人に対してアドバンテージが持てる
などと自分でも気づかずにセコイことを考えがちですが、
そんなことで出来る差別化なんて、たかがしれています。

Webでは自分の持っている「情報」や「考え方」を
「気前良く」「手放して」「みんなと共有する」のが
クールという考え方が根強くあると思います。
Web系の人たちって、総じて気前イイ感じがします。
ある意味ボランティア的精神にもとれますが、
私はそうは思いません。
かなり長くなりそうですので割愛しますが、
心理学的に見ても、自分の情報をすぐに手放すなど
他者を大切にする考え方の方が
結局うまくいくということも
あらゆる研究で実証されています。
「この糸は、オレの糸だ!」と言った瞬間、
糸は切れてしまうのだと思います。

あと他に感じたことですが、
今まではWebって「無限に広がる宇宙」な
イメージだったんですが・・・
(「無限の宇宙」イメージ写真)


結局、その広大な空間には「人間」がいて、
その中でも特に影響力がある人たちがいて
世論を形成しているということを
狭い魚民の空間にみなさんが集結している
ことで強く実感しました。
「その1人が30万人を動かす!」という
本のタイトルが象徴していると思います。


映画「ダイハード4.0」の中で
「ネットのジェダイ」なる人物が登場しますが、
今回の新年会に参加されたブロガーの方々は
「ネットジェダイ」的な側面がある感じがします。
というのも「世論」って油断していると
大手企業やメディアに都合が良いように偏る傾向がありますし、
しかし「誠実でないシステムはいつか崩れる」という名言が
示すようにフェアでない世論形成には必ず限界が来ると思います。
そのチェック機能としてもメガオピニオンリーダーの方々の
存在が必要なのだと思います。
(良い内容のバイラルは悪い内容のバイラルの1/7の
 伝播力しかない、という悲しい説もありますが)

若干話はそれますが、私が中学生の頃、
レコードに代わって、CD(コンパクトディスク)が
登場しました。
中学生だった私は、こんな小っちゃくて味気ない
「CD」なるものなんか
流行るわけ無いと感じました。
何千円もお金を出すのだからレコードの様に
大きなジャケットがあって部屋に飾れるくらいじゃないと
ありがたみないでしょ、と思っていました。



しかし当時の私の予想を大きく裏切って、
CDは1年あまりで世の中を席巻して、
レコードは一瞬にして「超少数派」に
なってしまいました。



これまで磐石で「変わらない」と
思っていたものであっても、
本当に優れたものならば
パッと変わってしまう例だと思います。
(今ではCDも存在が危ぶまれていますが)

これと同じ感じになるかはわかりませんが、
広告界もWebの影響による大きな転換期であることは
間違いありませんので、個人的にもこれまでに自分が
獲得してきた知見をすべて疑ってかかったうえで
柔軟な視点でWatchしていきたいと思っています。

ただし同時にWebは人間の思考規範を変えうる
物凄いメディアだとは思いますが、
「メディア」に過ぎないとも思っています。

消費者は「電気ドリル」ではなく「穴」を買っている
というマーケティングの名言があります。
Webは凄まじい道具ではありますが、
大切なのは「広告目的」と「インサイト」
そして「ブランドビジョン&アイデンティティ確立」であり、
Webはそのための「ハイパーな道具」に過ぎないと
私は思っています。

「メディア」に限らず「クリエイティブ」も同様ですが
道具を扱っていると道具の魅力ばかりに目を奪われて、
その道具を使って何をするかという本題が曇ってしまう
という本末転倒なことが起きやすいです。

「どんなに進化しても人間は変わらない」というコピーの
「トランスコスモス」のCMが以前ありましたが、
(宇宙ステーションで男が新聞紙を広げて足の爪を切ってるCM)
どんなにイノベーティブでインパクトがあるWebという道具が
出現したとしても、それを使う人間は変わる部分もあれば
変わらない部分もあると思います。
ピラミッドの壁画に「今の若者はなってない」と
書かれていたそうですし。

とはいえWebには人間関係を対等にする力がありますし
たくさんの砂金もいっぱい埋まってそうな
夢のある空間であるのは間違いありません。

私は過去の話ではなくて、未来の話をする人が好きですが、
Web業界にはそういう人たちが多いと思います。
ビジョナリー<未来予言者>こそが
世界を動かして欲しいです。

まぁ現実には90%以上の仕事は
未来予言とは関係ないケースが多いですし、
ビジネスマンとしてクライアントニーズを踏まえた
広告制作物を納品する義務はありますが、しかし
ごくまれにシュートコースが開いた時、
普段からシュートを打つ意識や訓練をしていないと、
イザという時にシュートは打てないと思いますし。

話がいろいろと散らかってしまいましたが
Webの優れた面、課題面の両側の視点を踏まえた上で、
Webという物凄いメディアのことを
今後も勉強していきたいと思っています。
広告ブロガーのみなさま、
今後とも何卒よろしくお願い致します。