2008年3月31日月曜日

静かな掃除機。

本日は「掃除機」の雑誌広告事例。



「コンサートホール」の様に
「静かにしていないといけない場所」で、
おばさん(左隅)が掃除機をかけていることで
「かなり静かな掃除機」であることを訴求。

この広告の様に、しれっとバカなことをやっている表現は
個人的に大好きです。クールかつバカバカしい事例。

2008年3月30日日曜日

シュールなお菓子広告。

※本日は金曜ですので土日分も含めた
「3日分」アップしております。

本日は海外のお菓子のかなりシュールな雑誌広告事例。

飛行機が緊急事態になった時に飛び出す
「酸素吸入器」をお菓子に変えたビジュアル。



コピーが小さくて読めないので意味はわかりませんが、
なんだか猛烈にシュールでインパクトがあります。
広告としては何とも言えませんが、
ビジュアルとしては個人的にはかなり好きな部類です。

2008年3月29日土曜日

ケータイ望遠カメラ。

本日は広告と関係ない事例。
ケータイ電話用の「望遠レンズ」。



ケータイが「本格」っぽくなる「オプション機具」って
イイ感じでギャップがあって、まだまだ他にも
可能性がある気がします。

2008年3月28日金曜日

ゾンビOOH。

本日もエンターテイメント系のOOH事例。
映画「ゾンビ」の公園ゲリラOOH。



この事例も広告に「接触する人数」としては限界がありますし
このOOHを見かけて映画「ゾンビ」を見に行くかは
わかりませんが、映画に行こうどうか「迷っていた人」を
行かせる力はあると思います。

2008年3月27日木曜日

宇宙人OOH。

本日は街頭の支柱メディアを利用したシュールなOOH事例。



メディアの形状ありきで企画された感じがしますが、
UFO系番組のシズル感をイイ感じで表現出来ている気がするので
シュールな割には優れた広告事例であると感じました。

2008年3月26日水曜日

血まみれ噴水。

本日は、恐怖映画「スクリーム」の超変則OOH事例。
公園の噴水の水が「血のように」赤くなっていることで
ホラー映画の「猟奇性」を表現。



ホラー映画では「ありがちなシーン」であっても
現実に自分自身が「生活の中で遭遇」するってだけで
かなりインパクトが上がると思います。

2008年3月25日火曜日

沈むOOH。

本日は映画「ザ・デイアフタートゥモロー」の
超変則的なOOH事例。



見ての通り看板そのものが海に沈んでいることにより
「世界の終末感」を訴求。

日本の場合だとちょっと風変わりなOOHをやろうとするだけで
それによってケガをした人が出た場合の保証金をどうするか
などの様々な実施上の障壁があります。

この事例は確か東南アジアの事例だったと思いますが、
きっと大して厳密な了承も取らずに勝手に海の中に看板を
設置した感がひしひしと伝わってきます。
それが良いことかどうかはわかりませんが、
クリエイティブパワーは生んでいると思います。

2008年3月24日月曜日

アリバイOOH。

本日はケータイのカメラの「使用促進」を
目的としたOOH事例。

背景がオフィスの写真になっているポスターが
(おそらく繁華街などに)掲出されています。
そして例えば電話で奥さんから「今どこにいるの!」
などと責められた時に、この前で撮影すれば
「オフィスにいる」という証拠写真になるという
アリバイ系のOOH事例。



↓こっちの主婦バージョンの方が妙にリアル。

2008年3月23日日曜日

エビアンOOH。

本日はミネラルウォーター「エビアン」の
メッセージ型タクシーOOH事例。



キャッチコピー:Drink and drive.

Don't drink and drive!「(お酒を)飲んだら乗るな!」という
アメリカや日本でよく使用される標語をベースにしたパロディOOH。

上記の標語に対してエビアンはむしろ
「飲んで運転しよう(Drink and drive.)」と訴求。
この事例の様に公共メッセージをパロディにした「コピーOOH」は
効果的に活用すればクリエイティブパワーがある気もします。

2008年3月22日土曜日

バイラルCM「フィンガーサッカー」。

本日は、おととしの夏に流行った
バイラル映像「フィンガーサッカー」の事例。
ちょっと前の事例ですが、
改めて見ても面白いので取り上げます。

以下のサイトに飛んで頂いてご覧頂けますか。

↓ClickHere!
http://www.fingerskilz.tv/dasblog/

「7月7日」の扇風機のやつが特にスゴくなかったですか?
(私はこの事例の詳細を良く知らないのですが、
 ひょっとしてトリック映像ですか?)

2008年3月21日金曜日

マクセルOOH。

本日は、日本国内でマクセルが
結構長い間やり続けている
タクシー天井部分の「電池型」OOH事例。



普段このブログで取り上げている海外OOH事例に比べると
クレイジーな事例ではありませんが、
ビジネスマンにとって「タクシー」は日常において
やたらと見かけるメディアですので、
このOOH事例の様に淡々とやり続けることで
ジワジワとボディーブローの様にブランド形成に
寄与する場合もある気がします。

2008年3月20日木曜日

OOHの名作。

※今週は連休ですので本日は「2日分」アップしております。

本日はOOH界(そんな「界」あるのか?)における
「名作中の名作」であるブラジルのナイキの事例。

ゴミ箱に「バスケットボード」の様な広告を掲出することで
ゴミをシュートの様に捨てさせるという社会派OOH。



「ナイキブランド」をユーモラスに訴求しつつ、
ちゃんと「ゴミを捨てさせる」という
社会的なスタンスもふまえたとされる広告。

個人的には大好きな広告ですが、
シュートミスした空き缶をそのままにする人が
いる気もしますし、ちょっと缶に残っていた液体が
シュートしたことによって周囲に飛び散る気もするので、
完全な社会派広告とは言えない気もしますが、
OOH広告の醍醐味をいかんともなく発揮した事例
でもあると思います。

2008年3月19日水曜日

バス内スケボーOOH。

本日は「バス」車内の床に掲出された
スノボー&スケボーの会社のOOH事例。



上記のようなステッカーをバス車内の「床」に掲出。



バスのゆれに対してバランスを保つ仕草を
スノボーやスケボーに乗っている時の感じに例えた表現。

個人的にも以前からバスに乗っている時に
「スケボー気分」が若干してましたが、
微妙なメディアインサイトを利用した
不思議なOOH事例だと思います。

2008年3月18日火曜日

ブラックユーモア系OOH。

本日は、かなり後味の悪いOOH事例。




タバコを吸うための専用スペースの天井に、
「死者を埋葬する人々」のビジュアルの
ポスターを掲出。



タバコを吸い続けると「肺ガン」になって早死にして
「埋葬されますよ」というメッセージ。
ブラックユーモアであること極まりないOOH事例。

2008年3月17日月曜日

ケータイ電話BOX。

本日は広告と関係ない事例です。
ケータイ電話用の「電話BOX」事例。



このケータイ電話BOXは、普段は背中にしょっていて、
ケータイで話をする時だけアタマにかぶるようです。



見ての通り、すっげぇバカです。

2008年3月16日日曜日

ゲームと広告⑦「ケータイゲーム」

※このブログは「日刊」をうたっておりますが、
 私は家にパソコンが無いので毎週金曜日に
 土日分も合わせた3日分をアップしております。

「ゲームと広告」特集、最終日の本日は、
「ケータイゲーム」に関してです。

かなりのゲーム好きである私ですが、ちょっと前までは
「ケータイ」でゲームをするのは邪道だと思ってました。
しかしコーエーの「三国志」というシュミレーションゲームの
ケータイ版をやった後に完全にその考え方は変わりました。



それは現状のケータイの↑こんな小さな画面であっても
「中国大陸を細かく分割して領土を奪い合う」という
とても細かい画面構成のゲームである「三国志」というゲームが、
ケータイの画像がかなりキレイになってきたことで
あまりストレス無く遊べたからです。

「三国志」は大変壮大なゲームですので、
何度もセーブをして何日にも渡ってやり続けないと
全領土を制覇するのは困難です。
この様なゲーム性を考えると、
どんな場所でもパッとやることが出来て、
そしてすぐにやめることも出来る
「ケータイ」というインターフェイスは、
かなりシュミレーションゲームに向いている感じがしました。

電車に乗っている間に1国とだけ戦争をして
すぐにセーブをして、また後でやるみたいな感じで
ちょっとずつゲームを進行することが可能なので、
今までの様にゲームをやるための時間をしっかりとって、
パソコンやTVの前に座ってじっくりとゲームをする
必要がないというのがスゴく大きいと思います。

ケータイで家の中でゲームをやる時も、 パソコンや
テレビなど家の中の特定の場所に固定されるのではなく、
ソファーで寝そべってゲームしてたかと思うと
そのままケータイをもって寝室で寝そべりながらやり続ける
という家庭内ユビキタス状態が実現します。
「家」という大変小さな空間の中であっても、
その中で好きな場所で接触できるメディアというのは
小さなことのようで大きいと個人的には思います。

話は若干変わりますがケータイではなく
「家庭用ゲーム機」にしたって私はこれまではPS2などを
ずっとやっていましたが、最近ではPSPオンリーに
なってしまいました。
PS2は電源を入れるのがイチイチ面倒な感じがしますし、
一度ゲームを始めたらなかなかやめるのは
もったいない感じがしますが、
PSPだとパッとゲームを始められて、
しかもテレビをつけつつソファーでゴロゴロしながら
時々ケータイのネットで裏ワザやテレビから聞こえてきた
面白い情報をもっと深く検索しつつ遊ぶことが出来ます。
私はこの生活スタイルが定着したためあまりパソコンを
買う必要性が見出せていません。(パソコンが悪いと
言っているわけではありません。ケータイがパソコンの
代替物になりつつある気がします)
この生活形態は「ケータイ」と「テレビ」と「PSP」の
「トリプルスクリーン」であり、若い人の中にも
案外こんな感じのメディア接触をしている人も
多いような気もします。
(PSPではなくDSが多いかもしれませんが)

ケータイはかなり気軽なメディアですので
ケータイがもっと進化してパソコンに近づいていって
パソコンの変わりになってほしいと個人的には思います。

そのうち「iPhone」も発売されると思いますが、
画面もPSPばりに大きいケータイも出るでしょうし、
インターフェイス的にもケータイは
かなり進歩してくるのだと思います。

私はケータイでワンセグって見ないよなぁと
思ってましたがYouTubeは見ます。
好きな時に好きな映像を適当な短さで視聴する
『ケータイYouTube視聴』は、
かなりケータイメディアに適していると思います。

また話は変わりますが「iPhone」の操作は
画面にじかに指で触れる「タッチセンサー」ですので
以下の映像の様にゲーム的にも様々な可能性が考えられます。



これまでもこのブログで何回も書かせて頂きましたが、
インタラクティブメディアは、視覚や聴覚だけでなく
マウスやコントローラーなどの「触覚」という
身体機能の延長である感じが強い感覚機能を
活用するメディアですので、他のメディアよりも
感情移入度がかなり深い様に感じます。

例えば初期のドラゴンクエストは売上本数はスゴイですし
ゲーム内容としても当時のゲームの中でも
圧倒的な内容でしたが、ストーリーのシナリオなどを
ゲーム以外の他のエンターテイメントと比べると、
メチャメチャすごいというわけではないと思います。



しかしゲームは「コントローラー」を用いて
「自分で」指を使って操作して、しかも主人公に
自分で名前をつけて冒険をするので、
「感情の入り込み方」が他の分野のエンターテイメントよりも
はるかに深い気がします。

例えば、ゲームの世界の中でで以前助けてあげた悪人キャラに
今度は自分が助けられるというなんてことはない
ストーリー展開ですら、感情移入度が高いので
「お前は、以前助けたカンダダじゃないか!」などと
感動してしまいます。同じ展開を小説や映画でやっても
全然たいしたことないのに、このくらいのストーリー展開でも
自分が主人公であるゲームだとめちゃめちゃ感動してしまいます。
この様に「ゲーム」には、ユーザーを深く感情移入させる
力学が多分にある気がしますし、広告にもまだまだ応用が
可能ではないかと思ってます。



7日間にわたり「ゲームと広告」の事例を取り上げてきましたが、
ゲームが広告に適したメディアであるかは何とも言えませんが、
影響力が強いメディアではあると思っています。

広告における「ブランド理解」と「広告戦略」をベースに持つことが
当然重要ですが、そのうえで効果的に活用すれば
「ゲーム」は広告における面白くてかつ効果的な
武器になる気がします。

2008年3月15日土曜日

ゲームと広告⑥「パソコンゲーム」

「ゲームと広告」特集6日目の本日は「パソコンゲーム」事例。
まずは、かなり有名な「レニーソリティア」の事例。

↓遊んだことがない方は後でクリックして遊んでみてください。
http://www.shockwave.co.jp/games/arcade/table/lenny/play.html


このゲームは今さら説明する必要がないくらい
かなり有名なゲームですが、シンプルながら非常に
よくできたゲームです。ヘンな「常習性」があり、
一度やり始めると結構止まりません。

心理学者のスキナー氏によれば、
人間が最も熱中しやすい報酬形態は「不定率報酬」と言って
「時々ごほうびがある」状況だそうです。
「常に」ごほうびがある状態よりも
「時々」ごほうびがある状態の方が人間は熱中するそうです。
つまり「ごほうびがあったり無かったりする」状況の方が、
人間を行動に駆り立てるパワーを生むようです。

そして、この「不定率」のさじ加減が絶妙であればあるほど
熱中度は高まります。良いゲームというのはこの辺のバランスが
ほどよく計算されていますがレニーソリティアは絶妙です。

この「不定率報酬」はギャンブルでも利用されていますし、
最近、アジア各国でネットゲームに異常に熱中する人が
増えているそうですが絶妙な「不定率報酬」に基づいたゲームは
一歩間違うと悪用もできる危険な心理作用なので
気をつけて活用しないといけません。

ですが人間を夢中にさせる要素の一つでもあるので
誠実に「度をわきまえて」活用すれば、
広告などでも応用可能な要素でもある気がします。

心理学者の「スキナー氏」については、
いつか特集で取り上げる予定です。

次の事例は個人的に大好きな「ジップジャン」の事例です。
こちらはレニーソリティアほど有名ではないので
ご存じない方も多いかと思いますが、
ゲーム性および世界観構築ともに大変優れたゲームです。
無料で出来るなんて信じられないくらいちゃんとしてます。
ゲーム内容的にはドンジャラをもっと簡単にした
簡易マージャンですが、かなりイイ感じのノリのゲームです。

↓あとでクリックして遊んでみてください。
http://www.shockwave.co.jp/games/arcade/table/zipjong/play.html


「役」の名前やキャラクターなど
かなりオリジナリティがあって、
一つの完結した作者の世界観がガシッと伝わってきます。

【「役」の一つ「痛いのこわい」】


私は「ゲーム好き」ではありますが、かなり飽き性ですので
あまり長い時間「同じゲーム」をしていられなくて
家でゲームをする時も5個くらいのゲームを引っ切り無しに
とっかえひっかえしながら遊びますが、多くのゲーマーは
一つのゲームを長時間集中して遊ぶことが多いと思います。

このゲームもとても良く出来ていますので、
ファンにとっては何時間もやるゲームであると思います。

そういった人たちは、かなりの「長い時間」を
このゲームに費やしていることになると思います。

何でもかんでも広告メディア化出来ると思い込むのは
良くないですが時間を大量に費やすものがメディアになれば
広告としては結構ポテンシャルがあるメディアになりえる
可能性もあります。

長い時間接すれば良いというわけではありませんし、
ゲーム以外の数々の「ブランデッドエンターテイメント」が
抱える問題として「楽しいコンテンツ」の中に「広告」なんかが
入ってきてほしくないという受け手の心理があるのも確かです。

なのでゲームは広告に、あまり向いていないという
可能性も当然あるとは思いますが、とはいえ個人的には
(ゲーム好きということもありますが)
効果的にかつ上手に活用すれば、広告においても
かなりの武器になる気がしてなりません。

本日のラストの事例は海外のバイラルゲームサイトで
長い間1位を取り続けた4WDのバイラルゲームです。
なかなか良く出来ていますので、時間がある時にでも
遊んでみてもらえますか。

↓ClickHere!
http://www.flashgames247.com/play/754.html


「ゲームと広告特集」最終日の明日はケータイゲームです。

2008年3月14日金曜日

ゲームと広告⑤「クールなゲーム」

「ゲームと広告」特集5日目は「クールなゲーム」事例。

私自身が最近どっぷりハマっているゲームで、
PSPの「パタポン」というゲームがあります。
この「パタポン」はボタンをテンポ良く押すことで
行進したり攻撃をしたりするゲームです。



パタポンのTVCMは結構オンエアしてますので
ご存知の方も多いかと思いますがご覧いただけますか。



上記CM以外にも女性が「パタ、パタ、パタ、ポン」と
口走りながらゲームに興じているCMがやっていたので
ご存知の方も多いかと思います。



私は散歩が趣味ですが、歩いていても頭の中で
「パタ、パタ、パタ、ポン」のフレーズが常に
鳴り響いています。このゲームは、このフレーズ以外にも
印象的なフレーズのオンパレードで非常に
印象的で計算しつくされた音楽構造をもったゲームです。

音に合わせてボタンを押すゲームを一般的には
「音ゲー」と言います。

「パタポン」を始めとする「音ゲー」というジャンルは
「パラッパラッパー」という有名ゲームが
元になっていると言われています。

この「パラッパラッパー」は元PYS-S(サイズ)という
バンドの松浦雅也さんという方が音楽プロデューサーをやっていて
「ゲーム性」もさることながら「音楽性」も独自の哲学と
オリジナリティが感じられます。個人的には大好きですので
ご存知ない方はご覧ください。





ここからが本日の本題ですが、この「音ゲー」の元祖である
「パラッパラッパー」の松浦氏が手がけたゲームで
「ビブリボン」というゲームがあるのですが、
この「ビブリボン」は、大変音楽的に斬新かつ洗練されていて
コンピューターというメディア特性をかなり深く捉えた上で
「音楽設計」がなされている感じがするのです。



これはあくまでも私の個人的な感覚ですが、
このゲームの音楽はこれまで見てきた数多くのゲームの中で
トップクラスの衝撃度がありましたので、
映像資料をご覧いただけますか。



これだけゲームの説明を理屈っぽくしているのに
いやな気分にならないのは、メロディーの良さと
ボーカルの音声変換のセンスの良さ、そしてかなり簡素だけど
クールなビジュアルの三位一体となった新手の
インタラクティブアートのような感じを個人的には受けました。



そして同じく「ビブリボン」でハイスコアを記録した時の
映像をご覧ください。




イイ感じでかわいくないですか。
このビブリボンのキャラクター設定も
かなりしっかりしていて、
非常に強いパーソナリティを感じます。
高得点を出した時に「♪やったね~」なんて
言ってくれるなんて、ベタなようでいて
案外盲点で、かつうれしいですし
プレイヤーとの深い「エンゲージメント」も
築けている気がします。

インタラクティブメディアのもつ「双方向性」と
「高度な音楽性」を上手に組み合わせた時、
ユーザーを深く感情移入させる破壊的なパワーが
生まれる気がします。

広告でどこまで応用が可能かわかりませんが、
ポテンシャルはあると感じています。

明日は、パソコンのゲーム事例です。

2008年3月13日木曜日

ゲームと広告④「実体験型ゲーム②」

本日は昨日に引き続き「実体験型ゲーム」の事例です。

昨日の「料理」や「ラジコンヘリ」の様に、
「現実の行為」に近い動きを「インタラクティブ性」を
活用して表現するというのを、さらに延長した考え方として、
普通に生活していると「頻繁には体験できないこと」をゲーム上で
「経験する」ゲームの事例を取り上げたいと思います。

まずは「教習所」を体験するゲーム事例「免許をとろう」。



このゲームは良くも悪くも「教習所」のもつ独特な感じを
表現できています。個人的に最もグッと来た点は、
教習所でイヤな教官に当たった時の「うんざりする感じ」を
とても良く表現できている点です。以下の映像資料は
それほどイヤな教官では無いですが、それでも細かいことを
しつこく注意される教習所での「あのうっとおしい感じ」が
良く表現されていると思いますのでご覧ください。
(2分20秒の映像ですが30秒で大体の感はわかります。)



実際には上記の教官より、もっとイヤな教官がいて
(↓下記画像参照)私はいつもこのゲームを始める時、
「あの教官に当たらないとイイな」などと
とても「憂鬱な気持ち」でプレステのスイッチを入れてました。

そんな憂鬱な気分になるならこのゲームをやらなければイイと
思われるかもしれませんが、そこは人間の非論理的な部分で、
その憂鬱さも含めて「免許をとらねば」というヘンな使命感が
生まれるのです。(ちなみに「学科試験」もヘンにリアルで
結構勉強しないと落ちてしまいます)



このゲームは教官などを始めとする教習所に漂う空気感を
とても良く表現しているだけではなく、
もう一つ大変優れた点があります。

それは昨日の「俺の料理」同様に、
「操作性」がとてもリアルなのです。
このゲームはプレステのコントローラーの
ほとんどのボタンとレバーを使用するのですが、
例えば自動車を発進させるのも
以下のアナログスティックを2本使用して、
左のアナログスティックを『半クラッチ』の状態にして
右スティックでエンジンをかけていくのです。
この操作が実際に車を動かす時の
半クラッチでアクセルを踏んでいく感じと
「そっくり」なのです。かなり笑えます。



このゲームの操作性はとてもリアルで
現実に自動車を運転する行為にかなり似ているため、
このゲームの難易度は高いです。

「縦列駐車」など、かなりムカつくくらいに難しいです。
私は「ゲーム酔い」をするのでサイドミラーを見ながら
縦列駐車をしていると吐きそうになります。
この点に関しても「だったらやめろ」と
思われるかもしれませんが、
私の頭の中の「ゲーム脳」が「やめてはいけない」と
言ってくる感じがあるのです(あぶないですか?)。
これも半分冗談ですが半分は本当です。

良くも悪くもゲームにはそれだけ人間を行動に駆り立てる
「何か」があると思います。
次の事例は「吉野家」をテーマにしたゲーム事例です。



まずは結構バカバカしいので(イイ意味で)
下記映像資料をご覧下さい。
(4分17秒の映像ですが1分くらいで大体わかります)



このゲームは「接客アクション」というジャンルで、
ある意味ではアクションパズルゲーム的な要素もあり
その意味では昨日の「俺の料理」と似ています。

お客さんが食べ終わった後の机を拭いたりしている点が
イイ感じで細かくて好きです。
吉野家の他にもカレーチェーンの「CoCo壱番屋」版があり
プレイヤーが「2辛」などの調整をするなど、
こちらもイイ感じでマニアックです。



これらの「吉野家」や「ココイチ」などの現実のお店で
職業を体験するゲームは本数的にどれだけ売れているかは
わかりませんが、広告的にはなかなかユニークであると
思いますしリクルート効果も高い気するので、
もっと広告戦術に活用しても良い気もします。
(費用対効果を慎重に考慮する必要はあると思いますが)

ただし「俺の料理」もそうですがこの「吉野家」ゲームも
イイ感じで「料理」や「接客」の仕事の「大変さ」や
「うんざり感」を忠実に表現できているため、
例えば実際に吉野家で働いている人が家に帰った後に
このゲームで遊ぶかというと微妙な気もしなくもありません。

ですが、この「職業を実際に体験する形式」のゲームは
広告からヘンに逃げていないで「吉野家」という
広告対象物そのものの「ド本丸」でゲーム化している点が
逆に潔くて好感が持てますしゲーム性も結構あって楽しいと
個人的には感じます。

話は変わりますが「うんざりする労働」つながりで、
もっとインパクトがあるゲーム事例があるのでご紹介します。

「電気グルーヴ」の「ピエール瀧氏」が監修した
「グルーヴ地獄」というゲームの中の「ミニゲーム」である
「ボールペンコウジョウ」という伝説のカルトゲームです。



この「グルーヴ地獄」というゲーム自体は
あらゆる理不尽なバイトをしてお金をためてDJの元ネタになる
様々な「音源」を「ガチャガチャ」で買って、
ライブで使用するというものです。

「ボールペンコウジョウ」は数あるバイトの中で
もっともくだらなくてかつ「単調作業」の仕事の「大変さ」を
イイ感じで揶揄して実際に体感させる不思議系ゲームです。



ベルトコンベアーから流れてくる未完成のボールペンに
ひたすら「キャップ」をはめ続けるだけ、という内容です。
時々逆になったボールペンがあるのでボタンを押して
ひっくり返してからキャップをはめるというもの。
ボールペン1本のキャップをはめても「1円」なので
テンポよくやらないと一向にお金は貯まらないため、
急いでやるので結構ミスも出ます。
1000本くらいやるとちょっとしたノイローゼになりますが
それでも1000円くらいにしかなってません。

このゲームは大げさに強調してはいますが
「バイト」というもの自体がもつ理不尽さや大変さが
よく表現されています。普通ではできない「不思議な体験」を
させられるゲーム事例だと思います。

明日は「クールなゲーム事例」です。

2008年3月12日水曜日

ゲームと広告③「実体験型ゲーム①」

「ゲームと広告」特集3日目の本日のテーマは
「実体験型ゲーム」。
私が人生の中で衝撃を受けたゲームトップ3に入る
「俺の料理」の事例からご覧ください。
(映像は3分4秒ですが1分くらい見て頂ければ
 だいたいの感じはわかると思います)





このゲームは「アクション系パズルゲーム」としても
良く出来ていて、ある意味「新手のテトリス」的な
面白さがあります。食堂で働く人にとっての
目まぐるしい注文に応じて料理をつくる
「うんざりするような感じ」を
とても良く表現できていると思います。

そして本日の本題ですが、
このゲームの中で以下の↓のように、
「食材」を「包丁」で「刻む」パートがありますが、
この部分が本日の本題である「実体験」の
ある種の究極的事例であると個人的には感じています。



このゲームはプレステ用のものですが、
この「食材をきざむ動作」はプレステ用コントローラーの
「アナログスティック(赤丸で囲んだ小さなレバー)」を
2本同時に使用することで行います。



この2本の「アナログスティック」を両手の親指を使用して
以下の↓「赤いやじるし」の様に両スティックを同時に動かしながら
「食材をきざんでいく」のです。




この操作における「親指の動き」は「現実の料理」における
「包丁さばき」と、ほぼ同じ感じです。
このゲームをやったことがある人ならおわかりになると思いますが
「本当に食材をきざんでいる」感覚になるのです。
しかもあわててきざむと「指を包丁で切ったり」もします。

こんなにも「現実の行為」と酷似しているゲーム操作法の事例は
私はほとんど知りません。

広告は当然「聴覚」や「視覚」に訴えるものが多かったですが、
「触覚」や「嗅覚(嗅覚ブランディングはいつか取り上げます)」に
訴える手法の方が、深い「認知」が得られるというのを何かの本で
読んだことがありますし、私自身の「生活実感」レベルでも
「触覚」や「嗅覚」に基づく記憶は「濃い」感じがします。

ゲームの「グラフィック解像度」や「操作性」がもっと向上すれば、
例えば、包丁の切れ味を仮想空間で本物を試すのと同じ様な感じで
試すことができるという「体験型広告」も可能になる気がします。

使用しないと「その良さ」がわかり難い商品は結構あります。
使ってみると予想以上にその価値が実感できる商品も結構あります。
当然「本物の商品」を「本当に使用する」のが
イイに決まっていますが、それが物理的に困難な場合は
仮想空間を効果的に活用するというのも十分考えられると思います。

インフラがいろいろと整いつつある昨今、ゲームにおける
「インタラクティブ性」は今後かなりバカにできないものに
なる気がします。

「俺の料理」以外にも「現実の行為」に限りなく近づけていて効果を
上げているゲームは結構ありますが、個人的にグッと来た例では
以下の「ラジコンヘリ」ゲームの事例があります。




この「ラジコンヘリゲーム」もプレステのコントローラーの
「アナログスティック」を2本使用することで、
実際のラジコンの「コントローラー」を操っているように
「ラジコンヘリ」を操作します。



仮に「本物のラジコンヘリ」を買ったとしても結構高額ですし、
たいていの人はウマく操作できずに
故障させたりするかもしれません。
その前に都会に住む人にとってはラジコンで
遊ぶ場所の確保もままらない状況です。

そんな中、ゲームではありますが、
かなりリアルで再現性の高い操作方法に基づく
「ラジコンヘリ」操作が可能なこのゲームは、
この手の玩具に興味ある人にとっては、
ちょっとした「代替物」になり得ると思います。
(ちなみにこのゲームは2000円で、かなり安いです)

「インタラクティブ性」はゲームだけでなく広告においても
「深い認知」を獲得するための超効果的な武器に
なるような気がしています。

明日も「実体験型ゲーム」の事例です。

2008年3月11日火曜日

ゲームと広告②「虚構と現実」

「ゲームと広告」特集、2日目の本日は、
全米で社会現象になった犯罪系ゲーム「GTA」の事例。



ご存知の方も多いかと思いますが「GTA」とは
「Grand Theft Auto」の略称で日本語に訳すと
「車両窃盗罪」という意味だそうです。
このゲームは「クライムアクション」というジャンルのゲームで
他人の自動車を盗みながら、様々なタチの悪い犯罪に
手を染めていくという内容です。




このゲームはアメリカはおろか日本でも「R指定」を受ける
超極悪系ゲームで「銃乱射事件」の犯人も犯行に及ぶ直前に
このゲームで遊んでいたことでさらに話題になりました。

私自身も昨年末にひたすらこのゲームのPSP版である
「リバティーシティ」と「バイスシティ」の2本をやりましたが、
その当時ゲームをしていない時、つまり日常の
「街を歩いている時」などにも
「どの車を盗もうかな」などの考えが一瞬よぎって
「はっ、いかんいかん」となるくらいに
「虚構と現実」の区別があいまいになりました。
半分冗談ですが、半分は本当です。

そのくらいGTAは感情がゲーム世界に入り込むくらいの
影響力をもったゲームだと思います。
このゲームをやっている最中に、
よく妻に「顔がこわい」と言われましたし。

GTAはアメリカ国内ではある意味「文化」の域まで達していて
YouTubeで調べたら「GTA」をテーマにしたくだらない映像が
複数ありましたので、その中から個人的に好きなものを
2本ご紹介しますので、ご覧ください。
(1本目の映像は47秒です)





単純にビックリしませんでしたか?
「GTA」をやったことがある人ならわかると思いますが、
この映像をつくった人は、相当なヒマ人(イイ意味で)ですよね。

次にYouTubeにあるGTA系の映像で
最もアクセス数が多かった映像です。
これもGTAをやったことがある人ならわかると思いますが
超人的にスゴイ技のオンパレードですし、
どんだけヒマ人なんだよ(イイ意味で)という感じがする事例です。
(2分56秒の映像です)




↑このワザなど、あまりにくだらな過ぎて、そしてスゴ過ぎて
 爆笑してしまいました。

そんなGTAですが、昨年ナイキでおなじみの
ワイデン&ケネディ社がコカコーラのCMモチーフに
「GTA」を使用した事例をご紹介しますのでご覧ください。
(1分の映像です)





極悪人である主人公が「コカコーラ」を手にすることで
実際の「GTA」とは「正反対」の「良い行い」をしまくるという内容。
「GTA」が「超極悪ゲーム」であるという社会的な「コンセンサス」が
あるからこそ成り立つ表現手法です。

ここまでが前フリで、ここからが本日のテーマ「虚構と現実」です。
このGTAの「バイスシティ」の中に、実在するアメリカ人の
超大物歌手「フィルコリンズ氏」が登場します。




私はGTAに「フィルコリンズ」が出ることを
知らずにプレイしていたので「フィル氏」が出てきた時は
ぶったまげました。しかもちょっと「悪いやつ」な感じでしたし。

現実の社会において良く知っている「フィルコリンズ」が
「虚構」と思い込んでいたゲームの中に登場したことで、
「脳内の壁」が「不思議な感じ」で「破壊」された感じがしました。

しかも主人公である私自身がフィルコリンズを銃撃戦から守って、
ちゃんとコンサートをやり切るために
様々なフォローをするのです(赤丸が、隠れるフィル氏)。


ゲームではありませんが以前ミュージシャンの「山崎まさよし氏」の
楽曲の中の歌詞の途中に「♪桜木町で~」というフレーズがあり
ビックリしたことがあります。
あらゆる楽曲の「歌詞」というのはとかく「抽象的」な概念のものが
多いと思っていましたが「桜木町」という私たちが現実に暮らしてる
世界における具体的な「固有名詞」である地名が「歌詞」という
「虚構」と思い込んでいた世界に登場したことで
異様なインパクトを生んでいました。
虚構と現実が地続きになる瞬間には、
不思議な覚醒感がある様に感じます。

この事例と、ある意味似ている事例が昨日の重要資料の
アドプレイン「川村氏」のインタビューの中にも出てきた
「ファイナルファンタジー」の回復アイテム「ポーション」を
サントリーが実際に商品化して発売した事例だと思います。




現実に存在するものが、ゲームの中に登場するという
事例は多いと思いますが、その「逆」に元々ゲームの中に
存在するものが、現実社会に登場するという
ある意味、裏をかかれてイイ意味で虚を突かれる
事例だと思いました。「やられた感」がありました。
当然ゲーム好きである私も発売日に買いましたし、
(若干高かったです)空き瓶は今でも記念に部屋に飾ってます。

「虚構と現実」の「壁」を「破壊する」という手法は
人間の脳に対して「不思議な心的力学」を生む感じがして
うまく運用・活用すれば(悪用は絶対にいけませんが)
大変効果的なマーケティング手法になると思います。
(現在でも既に有効活用している事例はあると思いますが
今以上にポテンシャルがある気がします)

ちなみに「虚構と現実」つながりですが「Game*Spark」
というゲームブログでスゴイ情報をゲットしたので取り上げます。
【米軍,Xbox360のコントローラーで操作可能な無人車両を開発】
↓Game*Sparkより
http://www.gamespark.jp/modules/news/index.php?p=5169

「天才ゲーマー」が戦車を操るという説もあるそうです。
なんかスゴい事例だと思いませんか?
ここまでくるとヤバイ感じがする事例です。

明日は「実体験型ゲームと広告」についてです。