2008年2月19日火曜日

空港内OOH。

本日は「空港内のOOH」に関する事例です。

スキー場で見かけた異性が実際よりも魅力的に見える様に、
広告も「どんな場所」で「どんな気分の時」に接触するかで
「広告効果」は大きく変わると思います。

そこで本日の本題である「空港内OOH」に関してですが、
「空港」という場所は、これから遠くに旅をする直前の人々が
イイ感じで高揚していることが多いグルーヴィーな空間です。
そして国際線の空港に限って言えば「ワールドワイド感」や
「ステータス感」もバリバリある場所です。

マクルーハンは「メディアはメッセージである」と言いましたが、
空港という場所そのものもが「メディア」であり
「高揚感」と「国際性」そして「ステータス感」という
「無形のメッセージ」を発している「場所」であると思います。

その場所で広告をうつというのは(当然業種は限られますが)、
かなり有利な状態で訴求することが可能だと思います。
香水の香りがする非日常的な空間での美しいビジュアルの広告は
イイ感じで心の中に入っていくと思います。

【フェラガモの空港内OOH】


【コカコーラのOOH】


しかし、そんなオシャレな空港内OOHの中でも
個人的に以前から「ひとり勝ち」しているOOHが
あると感じていました。

それは「HSBC」の空港内OOHです。



HSBCは「香港上海バンク」の略で、
世界トップクラスの金融グループです。

「サブプライム問題」の深刻化を
世界の金融業界の中でも
最も早く分析予想をしていたそうです。

そのHSBCは以前から、飛行機に乗る際の
「搭乗通路」の壁面に変則OOHを掲出していましたが、
これがその他の空港OOHよりも 「突出して印象的」なのです。



ただ単に企業ロゴを掲出しているだけなのに、
空港のそれも「搭乗通路」という変則的な
場所そのものが発するメッセージを効果的に
利用しながら、非常に根深い印象形成を
果たしている様に感じます。

そして、このOOHが印象的である最大のポイントは
「単独で広告をするスペース」を確保している点
である気がします。

空港内のOOHはとてもオシャレだと思いますが、
同じく複数のオシャレOOHが多く存在しています。
ともすればオシャレな「ヒトカタマリ」に見えなくもないです。

しかしHSBCは同じく空港内ではありますが、
「搭乗通路」という「付近」に「他の広告」が掲出されていない
ある意味「単独でアピールできるエリア」で
広告を掲出できています。

そして、あまり広告が入っているのを見かけない
「搭乗通路」という場所に広告が入っていることで
ちょっとした「意外性」が生まれ「印象度」も
上がっていると思います。

私の生活の中での「HSBC」との広告接点(コンタクトポイント・
タッチポイント)は、この「搭乗通路“のみ”」ですが、
非常に深く心に刻まれています。

「膨大な媒体量」でねじ伏せるのではなく、
「決定的な広告接点」でターゲットを「仕留める」手法の方が
媒体投下量も少なくすみ非常に広告予算を賢く使えると思います。
(そうなってくると、ますます企画の対価で広告費をもらう
「フィー制度」の確立が重要になると思いますが)

人と違うことをするのはなかなか勇気がいることですが、
広告において成功しやすいのは、
みんなと違うことをする気負いを持った広告主 であると感じます。

0 件のコメント: