2008年3月13日木曜日

ゲームと広告④「実体験型ゲーム②」

本日は昨日に引き続き「実体験型ゲーム」の事例です。

昨日の「料理」や「ラジコンヘリ」の様に、
「現実の行為」に近い動きを「インタラクティブ性」を
活用して表現するというのを、さらに延長した考え方として、
普通に生活していると「頻繁には体験できないこと」をゲーム上で
「経験する」ゲームの事例を取り上げたいと思います。

まずは「教習所」を体験するゲーム事例「免許をとろう」。



このゲームは良くも悪くも「教習所」のもつ独特な感じを
表現できています。個人的に最もグッと来た点は、
教習所でイヤな教官に当たった時の「うんざりする感じ」を
とても良く表現できている点です。以下の映像資料は
それほどイヤな教官では無いですが、それでも細かいことを
しつこく注意される教習所での「あのうっとおしい感じ」が
良く表現されていると思いますのでご覧ください。
(2分20秒の映像ですが30秒で大体の感はわかります。)



実際には上記の教官より、もっとイヤな教官がいて
(↓下記画像参照)私はいつもこのゲームを始める時、
「あの教官に当たらないとイイな」などと
とても「憂鬱な気持ち」でプレステのスイッチを入れてました。

そんな憂鬱な気分になるならこのゲームをやらなければイイと
思われるかもしれませんが、そこは人間の非論理的な部分で、
その憂鬱さも含めて「免許をとらねば」というヘンな使命感が
生まれるのです。(ちなみに「学科試験」もヘンにリアルで
結構勉強しないと落ちてしまいます)



このゲームは教官などを始めとする教習所に漂う空気感を
とても良く表現しているだけではなく、
もう一つ大変優れた点があります。

それは昨日の「俺の料理」同様に、
「操作性」がとてもリアルなのです。
このゲームはプレステのコントローラーの
ほとんどのボタンとレバーを使用するのですが、
例えば自動車を発進させるのも
以下のアナログスティックを2本使用して、
左のアナログスティックを『半クラッチ』の状態にして
右スティックでエンジンをかけていくのです。
この操作が実際に車を動かす時の
半クラッチでアクセルを踏んでいく感じと
「そっくり」なのです。かなり笑えます。



このゲームの操作性はとてもリアルで
現実に自動車を運転する行為にかなり似ているため、
このゲームの難易度は高いです。

「縦列駐車」など、かなりムカつくくらいに難しいです。
私は「ゲーム酔い」をするのでサイドミラーを見ながら
縦列駐車をしていると吐きそうになります。
この点に関しても「だったらやめろ」と
思われるかもしれませんが、
私の頭の中の「ゲーム脳」が「やめてはいけない」と
言ってくる感じがあるのです(あぶないですか?)。
これも半分冗談ですが半分は本当です。

良くも悪くもゲームにはそれだけ人間を行動に駆り立てる
「何か」があると思います。
次の事例は「吉野家」をテーマにしたゲーム事例です。



まずは結構バカバカしいので(イイ意味で)
下記映像資料をご覧下さい。
(4分17秒の映像ですが1分くらいで大体わかります)



このゲームは「接客アクション」というジャンルで、
ある意味ではアクションパズルゲーム的な要素もあり
その意味では昨日の「俺の料理」と似ています。

お客さんが食べ終わった後の机を拭いたりしている点が
イイ感じで細かくて好きです。
吉野家の他にもカレーチェーンの「CoCo壱番屋」版があり
プレイヤーが「2辛」などの調整をするなど、
こちらもイイ感じでマニアックです。



これらの「吉野家」や「ココイチ」などの現実のお店で
職業を体験するゲームは本数的にどれだけ売れているかは
わかりませんが、広告的にはなかなかユニークであると
思いますしリクルート効果も高い気するので、
もっと広告戦術に活用しても良い気もします。
(費用対効果を慎重に考慮する必要はあると思いますが)

ただし「俺の料理」もそうですがこの「吉野家」ゲームも
イイ感じで「料理」や「接客」の仕事の「大変さ」や
「うんざり感」を忠実に表現できているため、
例えば実際に吉野家で働いている人が家に帰った後に
このゲームで遊ぶかというと微妙な気もしなくもありません。

ですが、この「職業を実際に体験する形式」のゲームは
広告からヘンに逃げていないで「吉野家」という
広告対象物そのものの「ド本丸」でゲーム化している点が
逆に潔くて好感が持てますしゲーム性も結構あって楽しいと
個人的には感じます。

話は変わりますが「うんざりする労働」つながりで、
もっとインパクトがあるゲーム事例があるのでご紹介します。

「電気グルーヴ」の「ピエール瀧氏」が監修した
「グルーヴ地獄」というゲームの中の「ミニゲーム」である
「ボールペンコウジョウ」という伝説のカルトゲームです。



この「グルーヴ地獄」というゲーム自体は
あらゆる理不尽なバイトをしてお金をためてDJの元ネタになる
様々な「音源」を「ガチャガチャ」で買って、
ライブで使用するというものです。

「ボールペンコウジョウ」は数あるバイトの中で
もっともくだらなくてかつ「単調作業」の仕事の「大変さ」を
イイ感じで揶揄して実際に体感させる不思議系ゲームです。



ベルトコンベアーから流れてくる未完成のボールペンに
ひたすら「キャップ」をはめ続けるだけ、という内容です。
時々逆になったボールペンがあるのでボタンを押して
ひっくり返してからキャップをはめるというもの。
ボールペン1本のキャップをはめても「1円」なので
テンポよくやらないと一向にお金は貯まらないため、
急いでやるので結構ミスも出ます。
1000本くらいやるとちょっとしたノイローゼになりますが
それでも1000円くらいにしかなってません。

このゲームは大げさに強調してはいますが
「バイト」というもの自体がもつ理不尽さや大変さが
よく表現されています。普通ではできない「不思議な体験」を
させられるゲーム事例だと思います。

明日は「クールなゲーム事例」です。

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