2008年7月21日月曜日

消費者インサイト①

「消費者インサイト」特集、初日の本日は
青山学院大学の小林保彦教授著「アカウントプランニング思考」より
カット&ペーストして「消費者インサイト」とはどういったものかを
大雑把にまとめさせて頂きたいと思っております。
(明日から4日間はIKEAの事例を通して「消費者インサイト」の
 考察をしたいと思っております)



【「アカウントプランニング思考」より】
「消費者インサイト」とは、消費者がそのブランドに対して
どういう意識を持っているのか、どこが好きなのか、
何故そのブランドを買うのか、といったことを探し出す
消費者洞察、つまり「消費者やブランドの中に確実に
存在するが隠れて見えないヒットへの鍵(ボタン)」探しである。

どのような行動様式を持ち、それがどのような価値観から
発せられるのかといった内面までをも「見抜いた」ものが
コンシューマインサイトである。

消費者が意識していないものであっても、
消費者の心を動かし行動に結びつく、
ブランドと消費者の共感点を相互作用的に捉えることである。

これまでの様な目に見える現象を捉えるだけの消費者分析では
コンシューマインサイトを見つけ出すことはできない。

従来の消費者分析の考え方では、消費者を
「論理的に考え合理的に判断する人間」と捉えてきた。
しかし実際の消費者は必ずしも商品を
合理的に評価したり購買したりしない。

購入前に思っていたものとは違うところに魅力を発見したり、
作り手側が想定していない使い方をしたりするといったケースも
数多く見られる。消費者はブランドの価値を客観的な事実として
評価できていないかもしれないし、自分の意識や行動も
自覚しているとは限らないのである。

「ああそうだ、自分がもやもやと思ってきたのはこんな感じだ」
という発見を促す。生活者と商品ブランドの心理的距離を
縮めるものを表現する。「他人ごと」を「自分ごと」に変え、
ブランドと生活者の間に“関連性”(relevance)を築くことになる。

クルマが移動するための機械ではなく「家族の思い出作り」の
ためのものであったり、化粧品で自分の肌をきれいにすることが、
「明日への自己再生」であったり、「再度の社会参加」に
つながったりする。またプレミアムアイスクリームを食べることが、
「タブー侵害の快楽」であり、家庭薬が「母親の愛情の記憶」
だったりするという発見が
ブランド広告表現創造のジャンプ台となる。

定量調査や通常のグループインタビューを否定するのではなく、
それだけでは掴みきれないところに、
消費者の共感を呼ぶポイントが隠れていると考える。

人間という矛盾した塊を対象に、
科学だけでは説明できない情感の世界に入って
その曖昧さを楽しむ。
組織を生き物として生存させる。
それが広告人の楽しさである。

最も大切なのは『実感』だ。『実感』こそ人の気持ちを動かす。

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