ディスラプション特集、3日目の本日は
日本でもおなじみのウォッカブランド「アブソリュート」の
広告キャンペーンにおける「破壊理論」。
アブソリュートウォッカはガラス瓶に商品名を
直接「印字」しているユニークな商品です。
広告では、そのアブソリュートの「商品自体」を
ドーンと全面に使って
様々なアイディアで表現するという
シンプルかつアートなキャンペーンを
長年にわたって続けていました。
(現在は違う広告シリーズをやっています)
ポップアートで有名な「キースへリング」や
「アンディーウォーホール」も制作実績があります。
アブソリュート・ウォッカは一連の広告が評価され
1993年にナイキ、コークと並んで
米国マーケティング協会による
第一回「栄誉の殿堂」入りを果たしています。
アメリカの都市部においてアブソリュートは
「文化的アイコン」になっているそうです。
以下はアブソリュートウォッカのディスラプションブリーフです。
【Absolut】
Convention:The premium quality of a spirit brand
lies in its provenance.
Disruption:Absolut is a fashion brand.
Vision :Transform the bottle into an icon,
and build a territory
around who drinks it and where.
【アブソリュートウォッカ】
コンベンション :スピリッツ酒ブランドは、品質が重要だ。
ディスラプション:アブドリュートウォッカはファッションブランドだ。
ビジョン :ボトルをアイコンにした。
早い話、アルコールは大抵の製品が中身や味で売っているけど、
製品ではなく、スタイルやイメージで売るというファッションブランドの
文脈で広告をつくることが業界の常識を破壊し、
差別化を可能にするということだと思います。
ただしこの広告の優れている点は、ファッション化すると
言いながらも、むしろ商品ボトルをドデーンと中心に
扱っていながらもクールなトーンを形成している点だと思います。
商品から逃げれば面白い広告は結構カンタンに作れると思いますが、
商品をど真ん中にすえてイイ広告がつくれるのなら、
当然そうすべきであると思います。
以下「disruption」よりカット&ペースト。
広告人は具体的な物の経済価値における差をつくることを
探し続けてきた。今後は広告はますます
「無形なもの」の経済価値に付加価値を創造することとなる。
きわめて頻繁に広告はコード化されている。
各マーケットにおいてマンネリを生み出している。
我々は全文化時代に突入した。
フランスの社会学者レオ・シェールは、
サインと対象物の関係は逆転しつつある、と書いている。
サインは対象物よりも、より現実感をもつようになっている。
対象物はサインに比べ、よりバーチャルになっていく。
ブランドのフレームを変える。
すると人はブランドを違う目で見るようになる。
偉大なキャンペーンというのは私たちの物の見方を変えてしまう。
突然ブランドに違う光をあてるのだ。
もし全てのブランドが共有している何かがあったら、
それはディスラプションの隠された出発点になる。
ただし存在理由をひっくり返さないこと。
人々は市場がいかに「多くの慣習」を
作り出してきたかを悟ってない。
慣れ親しんだモノが信頼できるモノになり、
そしてコンベンショナルなものが息を吹き返す。
結果として私たちは同じ世界『同質の海』に住んでいる。
ディスラプションは、コンベンションに言及することで
競争相手を過去に追いやってしまう。
慣れ親しんだことを、違う視点で見つめるという行為は、
「批判的行為」である。
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